1本の音楽とデモテープの話/執筆:二名敦子
こんにちは、二名敦子です。 1980年代、今で言うCity Pop のアーティストとして活動していました。 出産を機に音楽活動を引退していたところ、旧知の村田和人さんから 「また一緒に歌いませんか?」 お誘いを受け 2011年からライブ活動を再開しています。 二名敦子さんの1ヶ月限定寄稿コラム『TOWN TALK』を読む。
私がお休みしていた1988年から2011年、音楽産業はめまぐるしい変貌を遂げました。 レコードからCDそして配信へ。カセットからMD,デジタル音源へ。 再デビューした当初、リハーサルの音源を録音したかったのですが 録音って何ですればいいんだろう?? 浦島太郎感 半端なかったです。 なんせカセットテープでガッチャンコの時代からタイムワープして来たので。 あの頃、年下のママ友に教わって買ったボイスレコーダー。小さくてびっくりしました。 今でもたまに使っています。
さてさて 80年のお話。 再デビューのライブを手取り足取りお世話してくれた大恩人の村田和人さん。 当時から、ふらっとスタジオに現れては曲作りの方法や歌い方のアドバイス、 音楽のこと、業界噂話など沢山話してくれる頼れる兄貴でした。 村田さんといえば「1本の音楽」。83年のスマッシュヒットで カセットテープのCMソング。 80年代は 手軽に持ち運べ、手軽に録音できるカセットテープ全盛期。 自分の好きなアーティストのアルバムを録音したり、ラジオの番組を録音したり。 みんなそれぞれお気に入りの1本の音楽があったのではないでしょうか?
レコーディング用に作曲者が作るデモテープも 当時はカセットが使われていたのです。 まだ歌詞もついていない生まれたばかりのメロディたち。 私は自分で曲を作ったりもしますが、 いろんな方から沢山曲を書いていただいています。 そして、様々なアーティスト、作家さんから送られたデモテープは それぞれの個性あふれるものでした。 製品化されていない分、ストレートにアーティストの魅力、こだわりが詰まった1本。