ウォシュレットなどの「温水洗浄便座」使うor使わない?拭く際に手につく細菌数に大きな差が!正しいお手入れ方法も
気になる衛生面。ノズルから出る温水ってキレイなの…?
―次に、多くの人が関心を寄せる「温水洗浄便座の衛生面」についてうかがいます。まず基本的なところからなのですが、排便時に温水洗浄便座を使う際、温水洗浄のタイミングはトイレットペーパーで拭き取る前と後、どちらがいいのでしょうか。 「基本的に、『日本レストルーム工業会』では 〈排便後、先に“おしり洗浄”をしたあとに、局部についた水滴をトイレットペーパーなどで拭き取る(もしくは乾燥機能で乾かす)〉 という使い方をご紹介しています。“おしり洗浄”でおおむね汚れを落とすことができるので、トイレットペーパーで拭く際は、押さえるように優しく水滴などを拭き取る程度で大丈夫です」 ―取材にあたって、『kufura』で温水洗浄便座に関するアンケートを実施したところ、「おしり洗浄」「ビデ洗浄」を使わない理由として「衛生面が気になるから」という回答が多くありました。 特に「1:温水を当てることにより、おしり周りに汚れが広がるのではないか」「2:ノズルから出る温水は果たしてキレイなのか」という点を疑問に感じている人が多かったのですが、それぞれ、どのくらい心配すべきですか? 「まず、“むしろ汚れが広がってしまうのではないか”という疑問に関しては、排便後におしりをトイレットペーパーで拭いた時に手に付着する細菌数を比較した調査が参考になりそうです。 その結果は、“おしり洗浄”を使用する場合と使用しない場合で、手に付く菌の数が ・人工便と模型を用いた試験:1万分の1以下 ・実際の排便後の調査:約10分の1 にそれぞれ低下したというもの。調査方法によって結果に差はありますが、トイレットペーパーだけで拭く場合よりも、“おしり洗浄”をしたあとに拭いた方が衛生的であるという点は同じでした(※2)。 ただし、どちらにしても菌がまったく付着しないわけではないので、使用後にはしっかり手を洗いましょう」 ―この研究結果から考えるなら、衛生面を気にする方こそ、むしろ温水洗浄便座を使った方がいいとも言えますね。 では、ノズルから出る温水の衛生面についてはいかがでしょうか。特に公衆トイレなど、公共の場所の温水洗浄便座の場合、「誰が使ったかわからない」という点が気になる方もいるようです。 こちらについても、当工業会で委託した研究があります。 大学のキャンパスに設置されている、127台の温水洗浄便座を対象に行った実験なのですが、結果は 〈ノズルから出る温水(=吐水)の水質は水道水並み〉 というもので、ノズルの自動洗浄によって、世界で一番厳しいといわれる日本の水道水の水質基準をクリアするレベルの衛生性が維持されていました(※3)。吐水だけでなく、ノズルそのものの衛生性に関しても、メーカー各社が日々様々な技術を生み出し商品化しています。 ※2 参考 https://www.sanitary-net.com/trend/expert/study07-1.html ※3 参考 https://www.sanitary-net.com/trend/expert/study08-1.html