緊急時、窓ガラスを割って救助できない ”外国籍”理由に制限される消防団員の活動 なり手不足でも「非常勤特別職の地方公務員」がネックに
■入団のきっかけは「仕事にいかす」 マウンさんが消防団に入ったきっかけは、仕事に役立てるためだったといいます。 テッミャッマウンマウンさん「消防団を通して日本人の知り合いをもっと増やしたいし、消防団の仲間もいろんな職場で働いている、もしその職場で海外人材を検討している企業があれば紹介して頂ければと思って、消防団に入ろうと思いました」 分団長の冨岡大将さんも、マウンさんの入団を歓迎しています。 糸島消防団前原分団 冨岡大将 分団長「日本人とか外国人とか関係なくきてもらえたら嬉しいし、消防団は、なかなか入る人が少ないという現状があるので、そういう方がきてくれるのはありがたいし助かっています。」 ■深刻ななり手不足 報酬アップの自治体も 消防団員のなり手不足は深刻で、福岡県では、県が条例で定める定数に対しておよそ3500人足りていません。 糸島市は、去年条例を改正し、消防団員の年間の報酬額を1000円アップし、3万6500円にしました。 さらに、1回の災害出動につき最大8000円、訓練では3000円を支給することにしました。 ■報酬をあげても確保できない ただ、報酬をあげても、人口が減少している地域で団員を確保するのは簡単ではないといいます。 糸島市消防本部 警防課江藤亮玄 係長「市街地に関しては人口も多いし、団員になる人、対象年齢の人も多いですが、山の方の地域では団員が少なく、地域自体の高齢化もあるので消防団のなり手が少なくなっているのが現状です。大きな災害があると、団員数が少ないと活動ができないということも懸念されるので、多くの団員を確保するのがこれから必要になってきます」 ■外国人消防団員 3年で1・8倍に こうした中、注目されているのがマウンさんのような外国人の消防団員です。 消防庁の統計によると、全国の外国人消防団員の数は2020年度269人から2023年度は479人に。2倍近くに増えました。 糸島市では3年前に初めて消防団に外国人が入団し、現在はマウンさん含めて3人の外国人団員が活動しています。