世界的なチョコレート危機「カカオショック」とは? スイーツ好きが今できること
チョコ×クッキー、エアインチョコが増えている
現在はすでにカカオをたくさん使わなくてもよいクッキーと組み合わせたものや、エアインチョコといった軽いタイプのチョコ菓子を開発する企業の動きが活発です。キャラメルやナッツ、ドライフルーツも高いですが、それらとチョコレートを混ぜ込むタイプの菓子も増えそうですね。 大変なのはカカオ80%など、カカオをたっぷり使った高品質な板チョコレートなどを販売しているブランドです。製菓の材料となるクーベルチュールチョコレートのメーカーや、それを使っているパティスリーも値上げは避けられないでしょう。
南米、アジアなどのカカオ農家が優位に
ちなみに、西アフリカは不作で困っていますが、南米、アジアなど、すべての生産国のカカオが不作というわけではないのです。なので、今世界の菓子メーカーが西アフリカ以外の産地に注目しています。 この状況に戸惑っているのが、南米のカカオ産地と協業、支援しながらクオリティーの高いチョコレートを作り続けてきた人たちです。例えば、長年ペルーの産地と協業してカカオ豆を買い付けている「アマゾンカカオ」の太田哲雄さんや、コロンビアを拠点に活動する「カカオハンターズ」の小方真弓さん。おふたりはカカオ豆の質の向上と現地で働く人々の支援を兼ねて通常よりも高値で購入する取り組みを行ってきました。 しかし最近は農家の方々がわざわざ質の高いカカオを作らなくとも、容易に高値で売れるようになったので、買い付けのハードルがとても上がってしまったのです。カカオ豆の品質や味にこだわったプレミアムチョコレートを作るためのコストが上がるのは、現状のままだと避けられないかもしれません。
私たちができることは?
まずカカオの状況について知っていただきたいです。カカオは北緯20度、南緯20度の赤道近くでできるトロピカルフルーツのひとつで、人が育てている農作物。だから不作の年もある。 しかもバナナのように実を収穫したらすぐ出荷できる訳ではなくて、木になった固いカカオの実を鉈で割って中から豆を取り出し、発酵させて、乾燥させるプロセスが必要です。 私も現地で見ていますが、これは大変な重労働で手間がかかります。なのに利益が小さくて、収入が不安定なんです。