一時不停止『千葉では違反じゃないのに東京では違反』一体どういうこと?【行政書士ライダーが徹底解説】
検証してみましょう
────────── ①ライダーから見て横断歩道の向こうに停車の場合 ────────── 左のイラストの位置に対向車が停止していても自車から見れば横断歩道はその対向車よりも手前にありますし、もし歩行者がいれば当然視界に入ります。 歩行者が見えれば第1項で一時停止が必要ですが視界に歩行者がいない場合、にもかかわらず停止車両奥の死角にいるかもしれない想定をする必要があるでしょうか。
────────── ②ライダーから見て横断歩道手前に停止車両がいる場合 ────────── むしろ対向車の場合は対向車から見た手前ではなく左のイラストのような位置(自車から見れば手前)に停止している方が死角を作りやすいですよね。 このイラストが示す通りこの場合は対向車も自車から見て横断歩道の手前なので、第2項の一時停止が必要だと考えられます。 ということは、動画の弁護士さんが言うような対向車を含むかどうかではなく誰から見て手前なのかが問題になりそうです。 つまり、この条文の言う『手前』や『前方に出る』は自車目線なのか停止車両目線なのか? それにより解釈は変わり得ますが、少なくとも同一センテンス内のこの部分は自車だけどこっちは停止車両も含むなどと目線を変える(増やす)ような解釈は日本語の解釈としても妥当性を欠くのではないでしょうか? そう考えると、やはりそもそもこの条文が義務を課している運転者(自車)目線に固定して解釈すべきで 「(横断歩道の)手前の直前で停止している車両等」には対向車線上かどうかにかかわらず自車から見て横断歩道の手前を指し、向こう側の停止車両は含まないと解釈するのが妥当だと言えそうです。
もしそれを含めるなら文言上明らかに含まれない下のケースとの整合性が取れませんよね。
ちなみに含むと考えた場合停止位置は条文によると「側方を通過して…その前方に出る前に一時停止」ですから、左のイラストの位置になります。 この場合、横断歩道付近に明らかに人がいませんので38条1項により徐行も不要でそのまま横断歩道を通過できますが、同条2項により横断歩道通過後停止車両の前方に出る前の位置で停止が必要になり明らかに不合理です。 この点、動画では弁護士さんが「横断歩道の手前で一時停止」と解説していますがそうではなく「(停止車両)の前方に出る前に一時停止」です。 以上により、道交法第38条第2項の停止車両には自車から見て横断歩道の手前(の直前)なら自車線だけでなく対向車線も含む。 しかし、自車から見て横断歩道の向こう側の停止車両はどちらも含まない、ということになります(筆者の私見)。