海外ゲーム『ゴースト・オブ・ツシマ』はなぜ、“史実と違っても”受け入れられたのか?
今後の日本の歴史をテーマとしたエンタテインメント
サッカーパンチプロダクションズが興味を引かれた黒澤明監督の時代劇をはじめ、映画『ラストサムライ』、漫画『NARUTO』、ドラマ『SHOGUN』など、侍や忍者は海外で高い人気を誇り、さまざまなエンターテインメント領域に活用されている。 そして、日本の俳優やクリエイターの活躍により、昨今では欧州中心史観で描く日本ではなく「日本人が見た日本」をそのまま楽しむことが受け入れられつつある。 まとめると、歴史をテーマとしたゲーム、コンテンツで重要となるのは、単純な史実との整合性ではない。その文化や歴史を深く理解し、思想の押し付けがなく、何よりエンターテインメントを最優先して描くことこそが重要なのである。 このスタンスであれば、フィクションの要素が含まれていても問題はない。市場に受け入れられるのだ。 そして、この「エンターテインメントに特化した」取り組み方は、日本の漫画がどこよりも得意としていることも付言しておきたい。昨今の日本の漫画や、漫画原作のアニメが国を問わず人気を博している要因といえる。このテーマについてもいずれ扱いたいと思う。
著者プロフィール:滑 健作(なめら けんさく)
株式会社野村総合研究所にて情報通信産業・サービス産業・コンテンツ産業を対象とした事業戦略・マーケティング戦略立案および実行支援に従事。 またプロスポーツ・漫画・アニメ・ゲーム・映画など各種エンタテイメント産業に関する講演実績を持つ。
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