〈食べるの大好き!〉小川恭弘さんに聞く、マイナー?でもおすすめな食べられる植物3選【私の植物偏愛記・10月号こぼれ話】
おなじみの講師の方々に、愛する植物を思う存分語っていただく連載「私の植物偏愛記」。『趣味の園芸』10月号では、小川恭弘さんに「野菜として可能性を感じている」というレモングラスについて伺いました。 ウェブだけで読めるこの「こぼれ話」では、食べることが大好きだという小川さんに、ちょっとマイナーだけど、育てやすくて食べられる植物を教えていただきました。この写真の3つの植物、何だかわかりますか? * * * 樹木でも、草花でも、植物を育てるのは楽しいですよね。そのうえ、おいしく食べることもできるなら最高です。今回は、育てやすく、食べられるおすすめの植物を3つ紹介します。
ウチワサボテン'バーバンク'
これはテキストでも紹介しました。ウチワサボテンのとげなし品種です。昔から、観賞用の植物として親しまれていますね。メキシコでは焼いてステーキのようにして食べるというのも、もう有名かもしれません。オクラのような粘り気があります。 あまり知られていないと思いますが、粉末状にすると抹茶のような風味がしておもしろいです。昔、勤めていた植物園でソフトクリームにして販売したことがあります。「サボテンってこんな味なの!?」と好評でした。 丈夫で育てやすいですが、温暖な沿岸部などではふえすぎてしまうこともあります。注意して、コントロールできる範囲で栽培しましょう。
ムラサキオモト
こちらも観葉植物として知られていますが、じつはハーブティーになります。メキシコや南米、中国南部などでお茶として飲まれているようです。きれいな紫色で、味にくせがないのもよいところ。高い整腸作用があるとされ、ムラサキオモトを原料にした飲料も発売されています。ちなみに、オモトとは全くの別種です。よく日の当たる場所で栽培してください。
小川さんの畑のムラサキオモト。「よほどおいしいのか、ネコかタヌキかがすぐ食べにきます。少し復活してきましたね」
キミノバンジロウ(イエローストロベリーグアバ)
「スーパーフード」として人気のあるグアバの近縁種です。ひと昔前は苗木がホームセンターなどの店頭に並んでいるのも見かけましたが、最近はあまり見なくなってしまいました。赤くてイチゴのような香りをつけるテリハバンジロウ(ストロベリーグアバ)の、果実が黄色になる種類です。名前そのままですね。 キミノバンジロウは比較的寒さに強く、関東地方南部では戸外で越冬することもあります。地植えでも、鉢植えでも育てやすくおすすめです。 果実は小さいですが、甘酸っぱい味は最高です。タネがやや大きく、入っている数も多いのは気になるかもしれません。ジュースやジャムにするのもおすすめです。非常においしいです。