【アルピナ物語】伝説のBMWチューナーの遺産 BMW 5シリーズをアイコンモデルに変えたアルピナB7とB10とは?
「正真正銘のドライビングプレジャー」という表現がぴったりだろう。「B10」はドライバーに語りかけてくる。ギアが機械的に噛み合う音、フルロック時のパワーステアリングのちょっと不安なグラインド音、2基のギャレット製ターボチャージャーの特徴的な口笛は、つかの間だが再現可能な証拠であり、クルマには確かに魂が宿っているのだ。
現代のツーリング
近代的なエレクトロニクスを搭載しているため、伝統主義者たちから不審な目で見られがちな「B10(E39)」にも、魂が宿っている。特にこのクルマは、686kmの走行距離もフォトショップで加工されたものでもない。その基本的なエンジンは「BMW 540i」に由来するが、それまでの慣例であったターボチャージャーは排気量に取って代わられた。後期「S バージョン」は、4.8リッターだった。 このアルピナ製エンジンは、後に481馬力を発揮する「ロードスターV8」にも採用され、市販BMWである「X5 4.6 iS」のインスピレーションの源となった。「S」では、ホイールボルトカバー付きの美しい19インチホイールも目を引く。しかし、スイッチトロニックのボタンがついたオートマチックトランスミッションはスポーティさを失い、「アルピナ5シリーズ」は最終的にGTカーへと変貌を遂げた。
結論
アルピナの「5シリーズ」も時代とともに変化し、トレンドとともに歩んできた。野性的で力強く、ターボを特徴とする「B7」から、今や象徴的な「B10ビトゥルボ」、快適性重視の「B10 V8 S」まで、それぞれに魅力がある。私のお気に入りは80年代のショルダーパッドジャケットを思い出させるB10(E34)だ。
Alexander Bernt