「応募者が少ない」採用に困った会社に欠けた視点…会社が「選ばれる時代」の採用コンテンツの作り方
未来を語るとは、企業で言えば「ビジョンを語る」ことです。「この会社は何を成し遂げようとしているのか?」「この会社はどこへ行こうとしているのか?」「この会社はどんな世界を作ろうとしているのか?」といった未来を語り、採用候補者も同じ未来を描けることができれば、採用につながりますし、ミスマッチも減るはずです。 これまでは採用候補者が履歴書を提示して会社に選んでもらっていました。これからは逆です。つまり、企業側が「魅力的な履歴書」を提示して選んでもらわなければいけない。これまで会社は選ぶ側だったのかもしれませんが、今は会社が選ばれる時代なのです。
これまでにお話ししたことは、平たく言えば「企業側もきちんと履歴書を提示しましょう」ということ。履歴書もなしに採用エージェントに頼っても効果は期待できません。ビズリーチもウォンテッドリーもお金がかかります。その効果を最大化するためにも、まずは自社のコアの部分を言語化して、会社の魅力を明示しておくといいでしょう。 魅力的な履歴書を提示せずに採用エージェントにお金を払い続けるのは、イマイチな写真とプロフィールでマッチングアプリに課金し続けるのと同じようなものです。だからこそ「経営者はどういう人なのか?」「どういう人生を歩んできたのか?」「どういう未来を作っていきたいのか?」を提示する必要性があります。
■採用を担当者に丸投げしない そして何より大切なのは、経営者がしっかりと採用にコミットすることです。採用は社長の仕事なのです。ラクスル株式会社の創業者であり、ジョーシス株式会社の社長である松本恭攝さんもLinkedInに英語で記事を投稿することで、優秀なグローバル人材を獲得することに成功しています。 例えば「What I learned in 5 years as CEO of a public company」は、ラクスルを上場させた後の5年間、CEOとして学んだことが書かれている記事ですが、この記事には多くの「いいね」と海外の有力な経営層やビジネスパーソンから直接コメントが来ています。
言わずもがな、採用というのは企業にとって大きな投資です。日本人の生涯年収の平均は約2億円。採用した人を定年まで雇用するとそれだけの投資が必要です。もっと言えば、先の見えない時代において優秀な人材を採用することは「経営そのもの」です。 よりよい採用をするためにも担当者に丸投げするのではなく、経営者が自分の仕事として前のめりに取り組むことが大切です。そういった会社こそがこの難しい時代に生き残っていけると考えます。
竹村 俊助 :WORDS代表取締役