独り身なので「認知症」になったときに代わりに手続きをしてくれる人がいません。安上がりなサービスはあるでしょうか?
認知症を発症すると記憶や思考に影響が及び、日常生活に支障が出てきます。特に独り身の人は、自分の状態を客観的に見ることができなくなる可能性が高まり、生活が立ち行かなくなる恐れがあります。本記事では、独り身の人が認知症に備えるためにできることを解説します。
認知症とは?
認知症とは、さまざまな脳の病気によって脳の働きが徐々に悪くなり、記憶や判断力といった認知機能が低下し、生活に支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)を指します。 内閣府の「平成29年版高齢社会白書」によれば、2012年時点で65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)が認知症であり、2025年には約5人に1人が認知症になると推計されています。 認知症は65歳以上から発症率が上がりますが、若い人でも認知症になることもあり、65歳未満で発症する認知症は「若年性認知症」と呼ばれています。 一方で、高齢になれば新しいことを覚えるのが難しかったり、思い出したいことがすぐに思い出せなかったりといった「加齢によるもの忘れ」もありますが、認知症はこのような加齢によるもの忘れとは違います。図表1は、その違いの一例です。 図表1
出典:政府広報オンライン 知っておきたい認知症の基本
独り身の人が認知症に備えるためにできること
認知症を発症したとき、身近な家族がいればサポートを受けられるかもしれません。しかし、独り身の場合だと、認知症の進行具合によっては生活が立ち行かなくなる恐れがあります。そのため、独り身の人は認知症になる前にできる準備をしておくことが大切です。 ■相談先を見つける 自分が認知症かなと思ったときに相談できる場所を、前もって確認・準備しておくことは安心につながるでしょう。相談先としては、図表2のようなものがあります。 図表2
筆者作成 地域包括支援センターや民生委員についての詳細は、住んでいる地域の役所にお問い合わせください。 ■利用できる制度を確認する 認知症に備え、独り身の人が利用できる制度の確認もしておきましょう。料金の負担が生じる場合もありますが、手続きには時間を要することが多いため、認知症になる前に確認・準備をしておくことで生活の安心感を高めることができます。 図表3