【現役ドラフト】畠世周が阪神へ 小林繁ら巨人から75年でわずか6人 先発も中継ぎも期待される30歳
阪神が現役ドラフトで巨人・畠世周投手(30)を獲得した。巨人の選手が阪神に直接移籍するのは珍しく、2リーグ制後6人目。投手では1979年に江川卓との電撃トレードで入団した小林繁、83年にトレードされた太田幸司以来となった。 【現役ドラフト】移籍選手一覧 現役ドラフト巧者の阪神が指名したのは、巨人で潜在能力を発揮し切れていなかった畠だった。嶌村聡球団本部長は兵庫・西宮市内の球団事務所で取材に応じ、「うちの投手陣の中に入っても十分にやっていけるかなと思っておりますし、先発も中継ぎも両方できるタイプだと思っています」と期待した。 阪神では第1回現役ドラフトでソフトバンクから獲得した大竹が移籍1年目の昨季、12勝2敗と大活躍した。昨年オリックスから獲得した漆原も今季、中継ぎで38登板とブルペンを支えた。畠も近大時代に過ごした関西に戻り、投手有利な甲子園を本拠地に大輪の花を咲かせる可能性は十分にある。 16年ドラフト2位で巨人に入団した右腕は、1年目の6勝がキャリアハイ。23年3月には右肘手術を受け、ここ2年は、1軍では1登板だけだった。ただ、2軍では今季、主にリリーフで登板し、2勝1敗2セーブ、防御率1・41の好成績を残しており、阪神はコンディション面に関しても問題ないと見ている。 畠は8年間在籍した巨人への感謝を表し、「何よりファンの皆様には、どんな時でもあたたかく声援を送っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。けがが多くリハビリでくじけそうになった自分に『待っているから』ととてもありがたい言葉をかけていただいたことは忘れません」と、苦しい時に支えてくれたG党に頭を下げた。 ライバル球団の巨人と阪神の間では移籍も少ない。2リーグ制後、巨人から直接の移籍は今回が6人目。投手では83年オフの太田幸司以来だが、生え抜き投手に限れば、79年の小林繁以来だ。小林は同年、巨人戦に無傷8連勝を飾るなど22勝で最多勝を獲得した。畠も恩返しの思いを胸に、伝統の一戦に彩りを加える。(島尾 浩一郎)
報知新聞社