超ニッチ市場での意外な必勝法 安定志向の地元、怖がりな僕でも“不戦勝”戦略で起業家大賞に
他社の5倍のペースで新商品投入
ニッチ市場とはいえ、競争相手がゼロとはいきません。商圏を県外に広げる中で、他社との競合にもさらされました。顧客に選んでもらうため、オリジナルのエア遊具の開発に乗り出します。顧客のニーズを聞き取り、商品のアイデアを練り、中国の提携工場に発注することにしました。 2005年ごろから社員の採用を始め、2011年には10人に。2014年には静岡県に支店を開設し、全国展開を本格化させました。エア遊具の保有アイテムは約300種まで増え、売り上げは右肩上がりに伸びました。2017年6月には、新規性を持つ事業を展開している点が評価され、「九州アントレプレナー大賞」に選ばれました。 山元 「他社と比べ、4~5倍のペースで新商品を投入しています。多い年には100くらい出しています。顧客が増え、『こんなのできる?』という要望や提案もウチに集まり、そのニーズに応えるというサイクルができてくる。これを維持するためにも、いい商品を出し続けるしかない。商品も働き方も『変化するのが当たり前』。そういう企業風土ができてきたと思っています」 【編集部注】記事内の情報や肩書は、取材時(2023年4月)のものです。 取材・文・撮影:佐藤修史 編集:中村信義 デザイン:山口言悟(Gengo Design Works)