野村とみずほ、インドの投資銀アベンダスの過半数株取得で主導権
(ブルームバーグ): 野村ホールディングスとみずほフィナンシャルグループが、インド最大の投資銀行の一つ、アベンダス・キャピタルの過半数株取得に向けた入札をリードしている。事情に詳しい関係者が明らかにした。
関係者によると、米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRが保有するアベンダス株63%の予備入札で、野村とみずほは最高額を入札した。KKRは少なくとも4億ドル(約580億円)での売却を求めている。カーライル・グループを含む最大7社が関心を示しているという。
アベンダスの広報担当者は、複数の入札を受け現在すべてを評価している段階だと述べた。アドバイザーとしてロスチャイルドを起用したことも明らかにした。野村は先に、アドバイザーを辞任していた。
野村とみずほ、カーライルはコメントを控えた。KKRはコメント要請に応じなかった。
関係者によると、KKRとアベンダスの経営陣は共同で売却に取り組んでいる。共同創業者のガウラブ・ディーパク最高経営責任者(CEO)を筆頭としたアベンダス幹部は、経営と事業拡大の自由度を高めるため、新たな支援者としてグローバルな資産運用会社またはファミリーオフィスのグループを希望しているという。
広報担当者は発表文で「アベンダスの経営陣は、特定の投資家を強く好んでいるわけではない。現時点ではまだプロセスが初期段階であるため、あらゆる可能性を視野に入れて協議を続けている」と説明した。
ウェブサイトによると、KKRは2015年にアベンダスの株式を約1億1500万ドルで取得し、17年にはさらに投資を行うことで合意した。投資銀行業務を含む主力事業を運営しているのは経営陣であるため、経営陣も株式売却について発言権があると関係者は述べた。
ディーパク氏の下、アベンダスはこれまで成長の原動力となってきた投資銀行業務以外の収益源を確保するため、ウェルスマネジメント、融資、株式資本市場業務の強化を図ってきた。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックや一部分野での競争激化により、目標とする成長レベルに到達する計画は遅れている。