【請求しないともらえないお金】亡き夫の〈未支給年金〉を受け取るための手続きと注意点〈相続専門税理士が解説〉
「未支給年金」があった場合の注意点と請求手続き
亡くなった方の年金は、亡くなった月の分まで支給されます。 奇数月に相続が発生した場合の計算は簡単です。その月は年金支給がないので、相続発生日における未支給年金は2ヵ月分です。翌月、亡くなった月とその前月の2ヵ月分が支給されることになります。 一方で、偶数月の場合は少しわかりづらいので要注意です。偶数月は15日に年金支給日があるため、15日よりも前に相続が発生したのか、15日よりも後に相続が発生したのかによって、取り扱いが変わってきます。 15日より前に相続が発生すると、まだ年金は支給されていませんので、2ヵ月分が未支給となります。さらに、その段階で相続が発生したら、その月の1ヵ月分の年金がもらえることになり、合計して3ヵ月分の未支給年金が発生します。 一方で、偶数月で15日よりも後に相続が発生した場合は、15日の支払日に、すでに前月と前々月の年金は支給されています。そのため、15日よりも後に相続が発生すると、亡くなった月の1ヵ月分だけが未支給となるのです。
未支給年金は「請求しないともらえない」
発生した未支給年金は、待っていても自動的に支給されることはありませんので、注意が必要です。 年金受給者の相続が発生する、つまり亡くなると、年金を受ける権利も同時に失権するため、亡くなった方の銀行口座には、年金は振り込まれないのです。 そのため、未支給年金を受け取るには請求手続きが必要です。 また、未支給年金を受け取ることのできる相続人は、年金受給者と生計を一にしていた遺族、例を挙げると配偶者、子、孫など、3親等内の親族に限られます。
受け取った未支給年金、相続税はかからないが注意点も
未支給年金は相続財産ではないので、受け取った未支給年金に相続税はかかりません。しかし、確定申告が必要な場合があるので、注意が必要です。 年金受給者の場合、公的年金が年間400万円以下で、その他の所得も20万円の場合であれば、確定申告は必要ありません。しかし、未支給年金を受け取ることで年金が合計400万円を超えてしまった場合は、確定申告が必要となります。
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