世界で人気のカクテル「ネグローニ」 和風にしてみたら…外国人にも大好評 ザ・キャピトルホテル東急
連載《hotel TIPS》Vol.20
編集長がホテルのおいしいものや楽しみを探しに行く「hotel TIPS」。今回の舞台は、かつての「キャピトル東急ホテル」を大改装し、2010年に再開業したザ・キャピトルホテル東急(東京・千代田)です。旧ホテルにあった「李白(りぽ)バー」は国内外のミュージシャンやVIPに愛された伝説的な存在。その世界観を受け継いだオマージュ店「ザ・キャピトル バー」を象徴する1杯を、和テイストあふれる個性的な空間の中で堪能したいと思い、心を躍らせて訪問しました。 【もっと見る】ザ・ビートルズなど海外アーティストが愛した「李白バー」、その心はどう受け継がれている? バーの雰囲気が分かる1分動画をチェック!
■月と詩が出迎え 1人でもゆったり過ごせる空間
お目当てのバーは、メインエントランスロビーから専用階段を上がった先にあります。入り口の右手には、寺院建築に用いられる日本の伝統的な木組み「斗きょう」と一体化したハイカウンターが据えられ、1人でゆったりとお酒を味わえる落ち着いた雰囲気に満たされています。 エントランスを進むと優しい水音が耳に響きます。奥の壁に目をやると、そこには漢詩と月が描かれた書画が掲げられています。 「『月下独酌』という李白の詩です」とバーテンダーの坪田隆亨さんが教えてくれました。もともとは旧ホテルの李白バーのカウンター奥に飾られていた書画です。 文意は、「1人で飲んでいても、月と、月の光でできる自分の影と、3人で飲んでいるのだから、さみしくはない」というもの。「お1人でも気兼ねなくいらしていただきたいという、私どもの思いそのものです」(坪田さん) 中国の唐代を代表する詩人、李白は、お酒と旅をこよなく愛したといわれます。そんな粋人の名を冠した李白バーは文字通り、お酒を愛し、世界を旅した数多くの著名人に愛される存在でした。 例えばミュージシャンなら、ザ・ビートルズ、マイケル・ジャクソン、ビリー・ジョエル、エリック・クラプトン、ティナ・ターナー……。バーの壁面に掲げられた往年の写真には思い思いにくつろぐVIPたちがきら星のごとく居並び、この地に構えられたホテルの歴史を雄弁に物語っています。 さて、カウンターから奥のラウンジに足を踏み入れると、そこにはまるで趣の異なる重厚な空間が広がっています。「コンセプトは大人の書斎。落ち着いた雰囲気で心を解放していただきたいですね」と坪田さん。一番奥にはザ・ビートルズゆかりの品々を集めた特別な席があり、ここで過ごすのがお気に入りのダンディーな政治家もいるのだとか。