不気味演出がトラウマに…スーファミ版『聖剣伝説』忘れられない「怖すぎるボス」との対峙
■強力な必殺技でまさかの即全滅「獣人ルガー」
1995年に発売された『聖剣伝説3』も恐ろしいボスが登場した名作だ。 同作は、選んだメンバーによってストーリーの展開が変わる「トライアングルストーリー」と呼ばれるシステムを採用。草原の王国フォルセナの傭兵デュラン、魔法王国アルテナの王女アンジェラ、獣人と人間の間に生まれたハーフであるケヴィン、光の司祭の孫であり、エルフの血を引くシャルロット、ナバール盗賊団の一員であるホークアイ、風の王国ローラント屈指の槍の使い手である少女リースという6人の魅力あふれるキャラクターから3人を選ぶことができ、プレイヤーそれぞれに推しキャラがいたはず。 クラスチェンジをすることで強力な必殺技を使えるようになることから、早くクラスチェンジするために当時の小学生たちは一生懸命敵と戦いレベルアップをしたことだろう。 そして、ちょうどクラスチェンジをして強くなった頃に戦うことになるボスキャラが、ケヴィンのライバルでもある「獣人ルガー」である。 動きも素早く攻撃力も高い強敵なのだが、何よりも当時の子どもたちを驚愕させたのが「青竜殺陣拳」「朱雀飛天の舞」という超強力な必殺技である。 一度発動すると回避不能なこの技はクラスチェンジをした3人のHPを瞬時に0にしてしまうほどの破壊力があった。そのため、HPを常時満タンに保ちつつ、なんとかしてその攻撃力を下げるか、自分たちの守備力を上げるかを考えながら、同時に攻撃を加える必要があったのだ。 それでもなかなか勝てず、当時の子どもたちに強すぎるボスとしてトラウマを植えつけた。 実は獣人ルガーはこちらが放つ魔法攻撃やレベル2以上の必殺技に対し、カウンターとして「青竜殺陣拳」や「朱雀飛天の舞」を返してくる仕様だったのである。 そんなことは知るはずもない当時の小学生は、クラスチェンジして覚えた強力な必殺技を使いたいがため、ルガーに対し必殺技を放つのだが、それが罠。意気揚々と攻撃したすぐ後、見事な反撃にあい、その強さに震え上がった。 必殺技や魔法を使わずに戦えばそこまで強くないということを知ったのは、恐ろしさを克服し、ゲームでの冷静さを覚えた大人になってからである。