アメリカでは債務を抱える若者が増加し懸念も 三井住友カードが参入「後払い決済」とは【WBS】
BNPLという言葉は「Buy Now Pay Later」(いま買って、後で支払う)という意味の英語の頭文字を取ったものです。いわゆる後払い決済サービスを指していて、いま若者を中心に利用が広がりつつあります。この「後払い決済」の新たなサービスを、三井住友カードが7日から始めると発表しました。一方、すでに利用が拡大しているアメリカでは、債務を抱える若者の増加が懸念されています。 「新たなBNPLサービスの名称は『アトカラ』です」(「三井住友カード」の疋田政彦常務) 三井住友カードやGMOペイメントゲートウェイなどは6日、後払い決済の新たなサービス「アトカラ」を7日から始めると発表しました。大手カード会社として業界に初めて参入します。 メールアドレスと電話番号を入力するだけで、最大5万5000円分までネット通販で商品を購入することが可能。会員登録は不要で、料金は商品の到着後、コンビニや口座振り込みなどで支払います。さらに事前に登録をしておくとQRコードを使って、実際の店舗でも後払い決済で買い物ができます。 大手カード会社の決済網を利用することで、今後、全国にある最大およそ30万台の端末で後払い決済を選ぶことが可能となります。さらに事前に会員登録をすれば利用枠は数十万円まで広がります。 なぜクレジットカード会社が後払いサービスに参入するのでしょうか。 「後払いサービスを利用するのは若年層や主婦層。ネット通販などにクレジットカード番号の入力をためらう人も多い。クレジットカードで捕捉できないようなニーズの決済も対応したい」(「三井住友カード」の疋田常務)
アメリカでは債務を抱える若者が増加
後払い決済が既に普及しつつあるのがアメリカです。ニューヨークの大学生に聞いてみると「店で勧められて使ってみた。簡単に使えるから気に入っている」「誕生日にドレスを買った。本当に欲しかったから。クレジットカードの利用額を増やしたくないから、後払い決済を使う」といいます。 クレジットカードより気軽に使えるという後払い決済。ニューヨーク支局の木下幸太郎記者が実際に登録してみました。 「名前やアドレス、そして誕生日を入力します。年収などの個人情報を入れると、一旦アカウントの作成はできました。早いですね」(木下記者) 審査なしで2000ドル(およそ30万円)分の買い物ができるようになりました。 こうした手軽さから、アメリカでの後払い決済サービスの利用者は年々増加。2023年の年末商戦ではオンラインの利用額が前の年から14%伸びるなど、アメリカの景気を押し上げる一因にもなっています。