「弁当じゃお腹が膨れない」「結局、1000円を超えてしまう」との声も…。セブン「高級路線で客離れ」に見る大苦戦の本質的な要因
2024年末、セブン-イレブンの売上高伸び率の低迷が話題となった。 同社はこれまで「セブンプレミアムゴールド」をはじめとする「付加価値」に重きを置いた高級路線の商品で他社との差別化を図ってきた。しかし、相次ぐ物価高の中での高価格戦略があだになり、売り上げが伸び悩んでいるという。 【画像7枚】割高に思えた商品も、これで標準的な価格に…? セブンが始めた「うれしい値」「エコだ値」 一方、筆者が気になっているのはこうした「高価格路線」から舵を切ったセブン-イレブンの「値下げ戦略」だ。実はここにこそ、同社の苦戦の要因が隠されていると筆者は考えている。
■値下げ戦略として期待される「エコだ値」と「うれしい値!」 高級路線の低迷を受けて、セブン-イレブンが取り組みはじめたのが「エコだ値」や「うれしい値!」という取り組み。それぞれ、簡単に説明しよう。 【画像7枚】割高に思えた商品も、これで標準的な価格に…? セブンが始めた「うれしい値」「エコだ値」 「エコだ値」は、2024年5月から全国の店舗で開始された取り組み。食品ロスの削減を目指し、販売期限が近い商品を値下げして販売する。
対象商品には「エコだ値」と書かれた緑色のシールが貼られ、通常の「値引きシール」に抵抗感を持つ人にも配慮したという。 確かに夕方ぐらいの店内を歩いていると、この緑色のシールが貼ってある商品を多く目にする。値下げ幅は「20円」や「30円」から「100円」までと幅広い。 「値下げ」と「環境配慮」を両立させた取り組みとして、令和6年度の食品ロス削減推進表彰において「消費者庁長官賞」も受賞している。 ■「うれしい値!」も2024年9月にスタート
一方の「うれしい値!」は、2024年9月から本格的にはじまった取り組み。いくつかの商品について、原材料の調達や製造工程を見直し、より安い価格で提供するシリーズだ。 セブン-イレブンの強みである、食品の質の高さと低価格を両立させる狙いがある。店内で、ピンク色の張り紙に「うれしい値!」と掲げられているのを見たことがある人も多いと思う。 これによって、「麻婆丼」や「バターチキンカレー」などのお弁当は税込348円、パンやセブンプレミアムのおかずはおおむね税込150円以内、カップデリなどは200円台前半で提供されている。