〈詳報〉野鳥ねぐらで高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出 採取地点から半径10キロ内を野鳥監視重点区域に指定 出水市
鹿児島県は8日、出水市の荒崎地区にある野鳥のねぐらで採取した水から、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出したと発表した。県内での確認は今季初めてで、全国では野鳥関連で20例目。県によると、採取地点周辺では野鳥の死亡や養鶏場での異常は確認されていない。県は養鶏農家に侵入防止対策の徹底を呼びかけている。 【写真】採取地点から半径10キロ内を野鳥監視重点区域を地図で確認する
採取地点から半径3キロ内には採卵や食肉用の養鶏場(100羽以上)が11カ所あり、計47万5000羽が飼われている。環境省は採取地点から半径10キロ内を野鳥監視重点区域に指定した。 ねぐらの水の採取は、ウイルスの感染拡大防止などを目的に出水市が実施。4日にツルやカモがいる荒崎と東干拓地の16カ所で今季初めて採取し、うち4カ所で高病原性が確認された。県は「ウイルスを保有する野鳥が既にいるということ」として注意を呼びかけている。昨季も第1回の採取でウイルスが検出された。 県は8日、関係部局長らによる対策本部会議を県庁で開催。発生状況や侵入防止対策を徹底することなどを確認した。 県内の養鶏場では昨季、出水市と南さつま市の2カ所で高病原性鳥インフルエンザが発生。計3万6000羽が殺処分された。
南日本新聞 | 鹿児島