生活保護のままでいい…「月10万円」の受給に頼る32歳シングルマザー、「週30時間」しか働きたくない理由
生活保護廃止後を心配するシングルマザー
生活保護を受給していると、いろいろな制限が課せられます。 資産を所有していると生活保護は認められないことから、原則土地や持ち家の所有は認められません。ただケースバイケースで、持ち家に住みながら生活保護を受給することはできます。また就労に必要な場合は、車やバイクの所有が認められます。またブランド品などの高価なものは所有できません。ただし国民の多くが所有するモノ、たとえばスマホは、1人につき1台の所有が認められます。 生命保険や医療保険などの保険に新規加入することはできません。貯蓄型の生命保険は資産とみなされるので、原則加入するのはNG。ただし、掛け捨てであれば加入が認められる場合があります。 また生活保護費を借金の返済に充てることはできません。自己破産等、別制度で対応することになります。生活保護中に借金をすることは禁止されていませんが、生活保護費で返すことができないなら、そもそも新たに借りることもできないといえるでしょう。 さらに生活保護中にはケースワーカーが担当につき、職業訓練や生活習慣の改善など、さまざまなアドバイスをしてくれます。生活保護受給者は、このような指導に従う必要があります。 このように、生活保護受給中には、さまざまな制限が課せられ、もししてはいけないことをすると、生活保護は廃止となり、再申請も難しくなります。 生活保護では自立を促し、最終的には廃止を目標に指導を受けることになるでしょう。しかし清水さんは、現状維持を望む気持ちがあるといいます。 ――実はありがたいことに、子どもが小学生に進学したら正社員にならないかと誘いを受けています。現状、週30時間ほど働いていますが、勤務時間は週45時間ほどになって、月収は28万円ほどになります。そうなると、生活保護の生活から抜けだせるかもしれない。(勤務先の)社長はそこまで考えてくれています ――子どもが小学校に進学したとき、友だちに生活保護を受けていることがバレたらバカにされるかもしれない。イジメられるかもしれない。子どもたちのためにも生活保護から脱却したほうがいいとわかってはいるのですが ただ清水さんは、正社員になることに否定的です。 ――生活保護が廃止になると、税金や社会保険料など負担が大きくなります。結局、生活保護をもらっていたほうが、生活は安定するんです。週30時間程度、働くだけで十分なんです 生活保護廃止後、生活が不安定になることは珍しくなく、生活保護を再申請するケースも珍しくありません。経済的に不安定なシングルマザー。生活保護で守られたい……それが本音なのかもしれません。 [参考資料] 厚生労働省『令和6年度被保護者調査』