【更年期不調をラクにする「自律神経」の整え方②】不眠や中途覚醒がツラい更年期世代。睡眠の質を上げるセルフケアって?
自律神経評論家として話題の鍼灸師、森田遼介さん。「真面目な人ほど、セルフケアも頑張ってしまいがち」という視点から、とにかくハードルを下げ、誰にでも習慣化できるセルフケアが人気だ。今回は、更年期世代に多い不眠の悩みについて。自律神経との関係と、今日からできる超簡単セルフケアについて伺った。 寝つけない、眠りが浅く、寝ても疲れがとれない、日中もボーッとして眠気がある…など、睡眠にまつわる不調を抱える人はOurAge世代にもたくさん!「更年期による自律神経の揺らぎが、睡眠に大きく影響を与えていることが考えられます」と、森田さん。 睡眠の質が落ちている人の特徴は、オン(活動モード)とオフ(リラックスモード)で言うと、オンを担う自律神経の交感神経が過活動になっていること。 「車に例えると、交感神経はアクセルの働きです。つねにアクセルを踏み続けているとエンジンは熱くなってしまいますよね。実は、そんな状態に傾きやすいのが更年期。リラックスモードの副交感神経が働きにくいため、体も休まりにくい状態になる、というわけです」
後頭部が硬い人ほど、睡眠の質が落ちている!
そして、不眠症状が出る人の2つめの特徴は、後頭部の筋肉が硬くなっていること! 交感神経が集まっている首や背中の筋肉が凝り固まってしまうことから、後頭部の筋肉も硬くなるそう。 「ストレスが多く体が緊張している人、パソコンなど、仕事で目を酷使している人が当てはまりますね。また、筋肉は冷えや湿度によっても硬くなりやすいため、入浴後に髪をよく乾かしていない人も要注意。ドライヤーで乾かしているつもりでも、意外と後頭部は乾かし切れていない場合が多いので、ちょっと意識を向けてみてください」 後頭部が硬くなると、不眠だけではなく、頭痛や吐き気にもつながってしまう、とのこと。そこで不眠のツボを活用した、2種の簡単セルフケアを教えてもらった!
【簡単セルフケア①】 後頭部を緩めるツボを温める 「イラストのツボ①天柱②風池③完骨の場所全体を、ホットタオル(濡らしたタオルをラップに包み、500~600Wで30-60秒ほど電子レンジで温める。火傷に注意)で温めます。首、肩、背中のコリや痛み、眼精疲労、睡眠不足、頭痛、気圧の変化による不調の予防にも効果があります」 注意点は、ツボ周辺を強く押したり、ゴリゴリ揉んだりしないこと。 「後頭部のこのエリアはとてもデリケートな部分。硬くなっているからと強く揉んでしまうと、体は防衛反応を起こし、余計に緊張するので、ホットタオルで温めるだけのセルフケアをおすすめしています」 ただし更年期の人の場合、頭部に熱が偏りやすいことから、めまいやのぼせの症状が出る場合も。 「それは、その人には合っていないという体のサインですからムリをせず、他のセルフケアに変えましょう。ホットタオルを当てた時、気持ちが良いと感じられた場合は体に合っているので、目安にしてください」