偉人たちの言葉があなたの心をケアしてくれる「介護に疲れているあなたへ」コラムニスが贈る名言5選
あなたに伝えたい名言その4
「一瞬だけ幸福になりたいなら、復讐しなさい。永遠に幸福になりたいなら、許しなさい」アンリ・ラコルデール(フランスの聖職者・説教家/1802~1861年) 仕事や友だちづきあいなど人間関係がこじれたときにかみ締めたい言葉ですが、介護をしているあなたにも、もしかしたら当てはまる場面があるかもしれません。理不尽な目に遭ったり、悪意のある言葉をぶつけられたりしたら、誰しも相手に激しい怒りを覚えます。「絶対に復讐(仕返し)してやる」と思うこともあるでしょう。 感情に突き動かされて、何らかの復讐をしたとします。相手にダメージを与えられたら、その瞬間は「ざまあみろ」と溜飲が下がるでしょう。しかし、人間は自分に都合よく物事を考える生き物です。復讐された側が「自分が先にひどいことをしたんだから仕方ない」と考えることはありません。「なぜ自分がこんな目に」と、こっちに怒りと恨みを抱きます。 そのまま「復讐」の応酬になったら、幸せな状態は永遠に訪れません。しかし、「許す」という決断ができれば、そこで負の連鎖は終わります。「酷い目に遭わされた分、自分が損をした」と思うかもしれませんが、その損は「広い心で許してやった」と思う気持ちよさで、十分におつりがくるでしょう。 結論 「復讐して快感を覚える人間より、許す快感を知る人間になりたい」
あなたに伝えたい名言その5
「主人公」禅語 今では物語で中心的な役割を果たす人の意味で使われていますが、じつは仏教から生まれた言葉です。もともとは「自分の中にいて、自分を見守っているもうひとりの自分」という意味。きれいで純粋な心を持ち、疲れて思いやりがなくなったり時に邪悪な感情を持ってしまったりしている自分を見て、もしかしたら眉をひそめているかもしれません。 あなたの主人公は、あなたの味方です。困ったときや迷ったときは、「ねえねえ、主人公」と話しかけてみましょう。きっと解決策やアドバイスを提示してくれます。壁にぶち当たったときや激しく落ち込んだときも、主人公はあなたを悪いようにはしないはず。 人生というのは、思いどおりにいかないときもあります。意に反して悪役や汚れ役をやることもあるでしょう。しかし、どんなときも自分の人生において、あなたは輝ける主人公です。自分の主人公と力を合わせて、楽しい舞台を作っています。つらいときこそ折に触れて、力いっぱいの拍手を贈ってあげましょう。 結論 「自分の中の『主人公』と対話すればするほど、人生という舞台は磨かれる」 * さまざまな偉人が残した言葉や、世界各地で大昔から伝わっている言葉には、強く生きるための知恵や自分を元気づける秘訣が詰まっています。介護という袋小路に入っているように思える状況にも、きっと希望の光を差し込んでくれるでしょう。 『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)では、古今東西の名言から「人間関係がラクになる言葉」「自信がわいてくる言葉」「心が軽くなる言葉」「前向きになれる言葉」「自分を好きになる言葉」を厳選して集めました。 今のあなたに必要な名言がきっと見つかります。将来の指標となる名言やこれからの人生であなたを支えてくれる名言にきっと出合えます。名言という頼もしい味方と手を取り合いながら、あなたの人生をあなたらしく胸を張って歩いて行ってください。 『人生が好転する95の言葉 大人のための“名言ケア”』(創元社)
石原壮一郎
1963(昭和38)年三重県生まれ。コラムニスト。1993年『大人養成講座』(扶桑社)がデビュー作にしてベストセラーに。以来、「大人」をキーワードに理想のコミュニケーションのあり方を追求している。『大人力検定』(文藝春秋)、『父親力検定』(岩崎書店)、『夫婦力検定』(実業之日本社)、『大人の言葉の選び方』(日本文芸社)、『失礼な一言』(新潮社)、『昭和人間のトリセツ』(日経プレミアシリーズ)など著書多数。故郷を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。