ペンギンと卵のような相互作用銀河「Arp 142」 ウェッブ宇宙望遠鏡観測開始2周年記念
一方、ペンギンの形にゆがんだNGC 2936とは対照的に、NGC 2937の形はほとんど変わっていません。楕円銀河であるNGC 2937は古い星が多く、相互作用の影響で銀河から引き剥がされるガスや塵に乏しいことが1つの理由とされています。加えて、2つの銀河の質量はほぼ同じであり、早い段階でNGC 2936に飲み込まれたりしなかったことも、NGC 2937が形を保っている理由だと考えられています。 なお、「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」が観測したArp 142(2013年に公開)と比較した画像もあわせて公開されています。ハッブル宇宙望遠鏡の画像では塵が豊富なダストレーンが暗い茶色の帯として写っていますが、塵にさまたげられにくい赤外線を捉えるウェッブ宇宙望遠鏡の画像ではかなり薄くなっています。また、ハッブル宇宙望遠鏡の画像ではNGC 2936とNGC 2937がはっきり分かれているように見えますが、ウェッブ宇宙望遠鏡の画像では2つの銀河をつなぐように分布している星・ガス・塵が、うっすらとしたもやのように捉えられていることもわかります。 ウェッブ宇宙望遠鏡が観測したArp 142の画像はSTScIをはじめ、アメリカ航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)から2024年7月12日付で公開されています。 Source STScI – Vivid Portrait of Interacting Galaxies Marks Webb’s Second Anniversary NASA – Vivid Portrait of Interacting Galaxies Marks Webb’s Second Anniversary ESA – Vivid Webb portrait of interacting galaxies Penguin and Egg ESA/Webb – Vivid portrait of interacting galaxies marks Webb’s second anniversary
sorae編集部