RIZINがシバターと久保の八百長疑惑騒動にやっと公式見解発表も「処分なし」の結論にファンの失望と批判でネットは再炎上
「ファンとしては残念な気持ち」「勝負に駆け引きはあってもいい。でも、それは誰もが分かる形じゃないと八百長と言われても仕方ない」「信用を失墜させた管理責任は誰も取らないの?」「さんざん時間をかけてこんな事しか発表出来ないのかとあきれた」「これで終わらせていい問題じゃない」などの意見がネット上で飛び交った。 実は、榊原CEOの、この説明の中には事実誤認がある。久保は1ラウンドで顔面への打撃は一発も繰り出さなかった。シバターは、試合前日のLINEでは、人気Youtuberのてんちむ氏にラウンドガールを依頼している件を持ち出して「1ラウンドは流して2ラウンドは真剣勝負」と要望し、久保は、その通りに1ラウンドは動いた。その間、シバターはプロレス風のロープワークや、伝説の米プロレスラーのリック・フレアーをオマージュした「ごめんなさい」ポーズをしたりして会場を沸かせたわけだが、途中から一転、久保には暗に禁じさせていた顔面へのパンチを繰り出した。久保を戸惑わせ右のフックでフラッシュダウンまで奪い、最後は引き込んで得意の腕ひしぎ逆十字固めで1本勝ちした。シバターの“ブック(台本)破り“こそ、リアルファイトに違いないのかもしれないが、久保からすれば「台本も何もない戦い」では決してなかった。 その“ブック破り“が許せないからこそ、精神的な混乱もあって、久保は、試合後に妻の兄や、暴露系Youtuberのコレコレ氏などを通じて内幕の暴露を始めたわけで、榊原CEOが指摘するように1ラウンド目に「気持ちを作れなかった」のも事実だろう。 榊原CEOは、RIZINが出場するファイターと結ぶ契約書の規約の中に「無気力試合をしてはいけない。八百長はしてはいけない」という条項と破った場合の罰則があることを明かした。シバターが1ラウンドに“ブック破り“をするまでの時間は、久保が「1ラウンドは流して」「ローやミドルなどはバチバチ本気で蹴ってもらって大丈夫」などの提案を真に受けて手加減をしていたと見受けられる。この1ラウンドは「無気力」の規約に抵触はしないのだろうか。 シバターが持ち掛けたのは、「2ラウンドは真剣勝負」との台本だったのだから勝ち負けを決めていた八百長ではない。ルール上、明確な規約違反がなかったため罰することが難しいのかもしれないが、すべてを”陽動作戦”でまとめられては、ファンは納得できないだろう。 榊原CEOは、再発防止のために今後、契約書を見直し、対戦する選手やセコンド、関係者らが試合内容について直接話し合うことを禁ずるなどの規約を盛り込むことを発表した。さらに選手のSNSの使用方法に関する制限や活用方法に対する啓蒙活動を進めていきたい考えも明かした。 ただ一方で、「これからも物議を醸すかもしれませんが、RIZINは小さくまとまる気はないです。あらゆることにチャレンジするし、シバターという炎上系YouTuber、これは毒にも薬にもなる人だと分かって今回も上げましたけれど、”じゃあそういうことはもうしないか“と言うと、これからもいろいろな形で話題性のあるカードを組む。100%リアルファイト、真剣勝負の中から生まれるドラマでみんなを魅了していけるようにしたい」と、シバターの再登用の可能性を示唆するような宣言までを行った。 榊原CEOは、ここまで今回の騒動が大きくなった理由として、新旧の格闘家や格闘技関係者がYoutubeなどで「事実ではない」意見を発信してきたことにも遠因があるとの苦言も口にしていたが、今回の結論に対し再び波紋が広がることは避けられないかもしれない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)