ホスピスを探すように言われましたが、見放されてしまったのでしょうか?
転院が望ましい場合
他の病院に転院する場合、今の病院よりもいいと思える要素があることが重要です。 ・緩和ケア病棟がある、あるいは、緩和ケアに積極的に取り組んでいる ・自宅から近く、本人も家族も通いやすい ・担当してくれる医療者との相性がいい ・病院の雰囲気がいい などの条件が考えられます。 「緩和ケア病棟」と「ホスピス」は、どちらも、がんの進行に伴う体や心の苦痛を和らげる「緩和ケア」に重点を置く病棟や入院施設のことです。「ホスピス」にキリスト教的なイメージもあることから、公的には、「緩和ケア病棟」が使われることが多いですが、基本的に同じものです。 今の病院に緩和ケア病棟があれば、そこへ入院をするという選択肢もあるでしょうが、なければ、緩和ケア病棟のある病院に移るというのが、重要な選択肢です。 通院する場合、今の病院が自宅から遠く、通院が負担になっているようであれば、より通いやすい病院に転院することを考えるのがよいでしょう。 今の病院への通院を続けながら、緊急時の対応を自宅近くの病院にお願いするという選択肢もあります。必要になったときに緩和ケア病棟に入院できるように、申し込んでおくこともできます。 やっぱり今の病院への通院を続け、何かあったときも今の病院に入院したい、ということであれば、その希望は担当医に伝えるのがよいでしょう。病院によっては、対応が難しいこともあり、話し合いは必要ですが、自分の思いを伝えておくことはとても重要です。 転院先を探すとき、担当してくれる医療者との相性や、病院の雰囲気は、けっこう重要な要素ですが、これは、他人の評判や、病院のランキング本ではわかりませんので、患者さんやご家族が実際に訪れて判断する必要があります。 候補となる病院が思い当たらない場合は、今の病院の医療連携室などに相談してみましょう。医療ソーシャルワーカーが、条件にあった病院の候補を探してくれて、うまくつないでくれます。地域のがん診療連携拠点病院にある「がん相談支援センター」には、その病院にかかったことがなくても、電話などで相談することができますので、ぜひ活用しましょう。