敦賀原発2号機、再稼働不許可を正式決定 活断層否定できず 規制委
原子力規制委員会は13日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)について、原子炉直下に活断層があることを否定できず新規制基準に適合しないとする審査書を正式決定し、再稼働を認めない不許可処分とした。 【画像】敦賀原発2号機直下を通る活断層のイメージ 規制委が審査で不許可にするのは発足後初めて。規制委は今年8月に同様の審査書案を了承し、1カ月間の意見公募をした。計282件の意見が寄せられたが、規制委の結論を覆すような指摘はなかった。 原電は2号機を廃炉にせず、処分を受け入れた上で審査を再申請する方針だが、規制委が判断を覆す可能性は現状では低い。2号機の再稼働は極めて厳しくなった。 原発の新規制基準では、活断層の真上に原子炉などの重要施設を設置することを禁じている。審査では、2号機から約300メートル離れたK断層が約12万~13万年前以降に活動した可能性や、2号機の原子炉直下へ連続している可能性がいずれも否定できず、新規制基準に適合しないとした。 山中伸介委員長は記者会見で「大きな判断だったが、科学的・技術的観点から厳正に審査して判断したことは、これまでと何ら変わりはない。申請書の誤りやデータの書き換えで異常な状態だった。原電には大いに反省していただきたい」と述べた。 原電が直下の活断層の存在を否定できない限り、2号機は再稼働できない。原電は追加調査をして「活断層ではない」と主張する方針だ。しかし敦賀原発の敷地内には、マグニチュード(M)7級の地震を起こすとされる活断層「浦底断層」が走る。さらにK断層以外にも約200本の断層(破砕帯)があり、山中委員長は「活動性を否定するのは大変困難」との認識を示している。 2号機を巡っては2013年、規制委の有識者調査団が、原子炉直下に活断層があるとする報告書を公表。原電は15年、再稼働に向けた審査を規制委に申請した。 しかし、原電による審査資料の無断書き換えや多数の誤りが発覚し、審査が2度中断する異例の経緯をたどった。規制委は「次に不備があれば審査の打ち切りもある」と原電に最後通告し、昨年9月に審査が再開。今年7月、新規制基準に適合しないと結論づけていた。【高橋由衣】