【報ステ】被災地からプロ野球選手誕生 町とつながる“輪島の希望”門前高校野球部
■地震後も…町とつながる高校生
町に子どもの姿が増え、活気が戻ってきた、その時でした。能登半島地震によって一時孤立状態になった地区もあり、甚大な被害に遭った門前町。それでも町に希望の光を灯したのは野球部の子どもたちでした。県外に避難せざるを得なかった部員もいるなか、残った部員たちは授業が終わると町の体育館へ。避難所で支援物資を運搬するなどボランティア活動を行いました。 門前高校野球部 川原和也選手(当時1年) 「いつもは地域の人たちが僕たちを支えてくれていると思う。今は僕たちが地域の人たちを支える」 支援活動が終わった後はそれぞれでトレーニング。全員集まっての練習が再開したのは、4月に入ってからだったといいます。 夏の甲子園をかけた石川大会。これまで支えてくれた地域の人の応援を受け、塩士さんは力投し、見事ノーヒットノーランを達成。チームは初のベスト8入りを果たしました。試合があると町の皆が応援に行くため、商店街の店はほとんど閉まっていたといいます。 沢田陶器店 澤田由紀子さん(75) 「毎回、次は校歌歌わせてね、もう一回って。勝っても負けても校歌を大きい声で応援団が歌ってくれる。あの子たちのおかげで大声出せます」 総持寺通り協同組合 能村武文代表理事(67) 「(妻は)野球全然知らないんだけど、一緒に応援に行くごとに詳しくなって」 総合衣料販売店のむらや 能村啓子さん(67) 「手をたたきすぎて、指輪の石が飛んでいったんです」
■町の復興に…再び訪れた試練
復旧・復興に向けた工事が進むなか、門前高校で新たな地震の影響が見つかりました。先月から校舎の安全性について調べたところ、基礎部分に損傷が確認され、臨時休校に。車で1時間ほど離れた志賀高校での授業再開が検討されるなど、町から高校生がいなくなることに困惑の声も上がりました。これまで町の人と共にあった門前高校野球部。その“つながり”をおびやかす、再び訪れた試練。 門前高校野球部アドバイザー 山下智茂さん(79) 「いま一番ショックなのがこれやな。門前高校の校舎が当面使えない。これが一番のショックだったね。これでどうなるかと感じながら君たちの練習を見ていると、全然(ショックを)感じなく、本当に好きな野球に取り組んでいる姿に感動しています。君たちはどういう気持ちでこれから戦うのか。本当に君たちの姿を見ていると感動するとともに、甲子園に連れていってやりたいと思う。頑張って皆でこの苦しみを乗り切っていこう」