旭・田之畑宗孝監督「この夏を良い夏にしてもう一回強くなりたい」
7月20日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選1次予選のFブロ ック決勝が行われ、旭が横浜瀬谷を相手に3-0で『保土ヶ谷バイパスダービー』を制し2次予選進出を決めた。 【フォトギャラリー】 旭 vs 横浜瀬谷 試合開始前、ベンチに選手を集め念入りに指示を与える…どの試合でもどのチームでも試合前に見かける光景だが、旭は直前までアップに時間を費やすと田之畑監督はメンバーチェックに向かう選手個々に短く声をかけただけ。ハーフタイムも田之畑監督の与えた指示は最小限だった。 試合後、それを尋ねると「普段のトレーニングでは色々言いますけど、試合は子供たちが伸び伸びやれた方がいいと思うので…」と答えが返ってきた。試合は生き物、実際に試合をする選手たちの感覚が一番大事と考えているようだ。 「クーリングブレイクが入ってきて時間の使い方が難しい部分もあったのですが、その中でも子どもたちが毎回話し合っていて。『集中切らさないようにやろう』『この後しっかりやるぞ』と言える子どもたちなので(今日も)頼もしかったですね」と指揮官は胸を張る。 もちろん試合の中では苦しい場面もある。「瀬谷さんも3年生は負けたら引退というそういう大会なので前から来るのはわかっていました。バタバタせずに動かすところ、ちょっと前から攻撃するところは使い分けていたので大丈夫だと思いました」と、選手たちも田之畑監督の意図を理解し見事に3-0で勝利をもぎ取った。 そして迎える2次予選に向けては「一つひとつ勝ち上がっていくしかないと思います。今日も初代監督の伊藤清春さん(在任中に全国大会に計11回出場)がいらしてくれて、OBの方からも『もう一回そういうところで旭高校の名をあげて欲しい』とプレッシャーじゃないですけど、すごく期待していていただいているので、そういうところを目指して行けたらいいなと思います。この夏を良い夏にしてもう一回強くなりたい」と意気込む。もちろん、それには課題も…「本音を言うともう少しボールを握って動かしたい。暑さとか、土のグラウンドでのトレーニングなので、なかなかしっかり最後崩し切るところとか精度とかが上がってこないのですが、この夏、合宿とかして人工芝などでやれるので、そういったところで改善していきたい」。続けて「選手権はみんなが仕げてくる大会なので、どれだけ濃い夏を過ごせるかが大事。何か言ったらすぐ吸収してくれる子どもたちなので、この夏をすごく楽しみにしています」と話した。 連日酷暑は続くが、田之畑監督にとっても選手たちにとっても盛りだくさんの夏になりそうだ。 (文・写真=西山和広)