不倫でくすぶる国民民主・玉木代表の進退問題 衆院選で躍進、辞任の場合は失速も
先の衆院選で公示前から議席を4倍に増やし、「103万円の壁」の引き上げによる減税政策を主導する国民民主党で、玉木雄一郎代表の不倫に絡んだ進退問題がくすぶり続けている。玉木氏が党倫理委員会の調査結果を踏まえ、辞任する可能性を示唆しているからだ。ただ、衆目が一致する「ポスト玉木」は見当たらず、躍進の立役者の玉木氏が代表を退く事態となれば国民民主は失速しかねない。 【写真】玉木氏が手に持った不倫釈明の応答要領 「好意持った」に下線が 玉木氏は26日の記者会見で、自身の進退を問われ、「私自身のことについては党倫理委にしっかり向き合い、出た結果については誠実に向き合いたい」と述べるにとどめた。 不倫問題は11日、写真週刊誌「FLASH」のネットニュースで発覚した。玉木氏は同日中に謝罪会見を行い、国民民主も一旦は続投を了承した。だが、倫理委が事実関係の調査を行っており、何らかの処分が出た場合には「来夏の参院選への影響も考慮し、身を引いた方がいい」(国民民主関係者)との意見が強い。 玉木氏は19日夜のユーチューブ番組で自身の心境について「政策を実現する重要なポイントなので恥を忍んで代表を務めている」と告白。その上で、「倫理委の結論も踏まえた上で、最終的には出処進退は自ら判断するということで決めたい」と述べ、辞任もあり得るとの認識を示唆した。15日には支援を受ける産業別労働組合幹部との会合で同様の趣旨を伝えたという。 ただ、国民民主躍進の牽引役だった玉木氏が辞任した場合の打撃は予測不可能だ。国民民主は玉木氏の「個人商店」的な性格が強く、「次の顔」は容易に浮かんでこない。 玉木氏と二人三脚で党勢拡大に汗をかいてきた榛葉賀津也幹事長は「玉木あっての榛葉だ」と語り、あくまでも「太陽」である玉木氏に対する「月」の立場に徹する。民主党政権で閣僚を経験した古川元久代表代行は「103万円の壁」引き上げを巡る自民、公明両党との協議で手腕を発揮するが、知名度では玉木氏に及ばない。 国民民主の幹部は「玉木氏は年内には結論を出すだろう」と話すが、去就次第では与野党の国会戦略にも大きく影響しそうだ。先の衆院選で自民、公明両党は過半数割れに陥っており、国民民主の協力がなければ予算案や法案を成立させることもままならない。閣僚の一人は「まずは予算案を通すことが大事だ。玉木さんなら話ができる」と続投を願う。(永原慎吾)