認知症でも「愛猫の世話」だけは忘れなかった…!ゴミ屋敷でみつかった、78歳独居女性が大切にしていた「おくるみ」の意外な中身
『おくるみ』の中にあったものとは
『ゴミ屋敷に住んでいる女性(78歳)を洗って貰えないかな。彼女の体があまりにも汚くて、医者にも診せられないんだよ』 【マンガ】「一緒にお風呂入ろ」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の罪悪感 知り合いのケアマネージャーから緊急依頼を受けた看護師・武藤直子さんは、靴下のうえから2足目の靴下を履いて、ビニール製の使い捨てエプロンやシューズを用意すると、訪問入浴・湯灌サービスを提供している『ウィズ』のスタッフとともに彼女が暮らす“ゴミ屋敷”へと向かった――。 大量のゴミの中、汚物まみれのふとんで『寝たきり』となっている彼女を清潔にして、一刻も早く訪問診療を受けて貰おうと、ゴミを移動させて浴槽が設置できるスペース確保を急いだが、スタッフのひとりが、ゴミの中からおくるみに包まれた長さ50センチほどの何かを発見した。 「「愛猫と暮らしていた」はずの78歳独居女性に異変が…! ゴミ屋敷に住んでいた彼女の自宅でみつけた「不穏なモノ」」につづき、看護師の武藤直子さんがリポートする。 「武藤さん、これはなんでしょう…」 不安そうな顔をしながら指示を仰いできたスタッフにかわり、武藤さんがおくるみを広げると、中から乾燥した猫の亡骸がみつかったという。こうした場合「認知症によって飼育が困難となり、猫は死んでしまったのでは」と疑うが、武藤さんは「残された状況的に、彼女は恐らく最後まで面倒をみていた」と言い切る。
「認知症でも、猫の世話だけは忘れていなかった」
「彼女は垢がコーティングされていたほどお風呂に入っておらず、髪の毛も伸び放題で、鳥の巣のように髪の毛が絡んでしまっている状態でしたが、爪だけはあまり伸びていませんでした。 あくまで私の推測ですが、猫の世話をしたり、おもちゃで遊んであげるのに邪魔で、爪だけは切っていたのではないかと思います。部屋の中には使いかけの餌の袋のほか、大量のストックがありました。猫の餌や、猫の砂も彼女にとって絶対に切らしてはいけない大切なものだったのでしょう」 猫の餌を入れるお椀も、餌が補充されたまま残されており、武藤さんは「彼女の布団からお茶碗までの床の汚れ方を見る限り、彼女は這ってでも餌をあげていたのではないか」と推測する。猫が包まれていたおくるみも、彼女自身が包んだもので、「彼女なりの埋葬だったのではないか」という。猫の亡骸は不思議と腐敗しておらず、「綺麗にミイラ化していた」そうだ。 猫が包まれたおくるみは、彼女にとって大切なもの。武藤さんらはそっと元の状態に戻して、心の中で手を合わせたあと、浴槽を設置したそうだ。 残す問題は、彼女の状態だった。意識レベルの低下がみられたからだ。
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