「闇バイト」事件多発で“郊外戸建て離れ”…独居老人が「トクリュウ」に狙われないために
8月末から関東で頻発している「闇バイト」を実行役とした連続強盗事件。 今月19日には、横浜市青葉区の住宅に押し入り、75歳男性を殺害し、現金およそ20万円を奪った22歳の自称個人事業主の男が強盗殺人の疑いで逮捕されている。男はSNSでホワイト案件に偽装された闇バイトに応募。ほかに2人の実行犯がいるが、互いに面識のない「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の犯行とみられている。 賃貸審査に落ちる“無職”の罠…年収20億円の超富裕層インフルエンサーでもNGのナゼ? いずれも狙われたのは横浜市のほか、さいたま市、所沢市、白井市、船橋市、鎌ケ谷市など、東京近郊の戸建て住宅で暮らす高齢世帯など。 都市部のマンションが高騰する中、比較的手ごろな郊外の住宅に目が向けられてきたが、強盗団に急襲される恐怖は計り知れず、SNSでは“戸建て離れ”を指摘する声も。 ■マンション移住も容易でない 「近年は特殊詐欺犯罪でも銀行員やリフォーム業者を装うなど、アポなし訪問するケースが増えています。強盗事件も当然、高齢独居世帯が狙われやすく短絡的かつ悪質化しています。セキュリティーが甘い戸建てに比べ、防犯対策が強化された分譲マンションの評価がより高まるかもしれません。しかし、移住には少なくない手間と資金が必要です」(不動産アナリスト・長谷川高氏) 高齢者は特に、住み慣れた環境やコミュニティーを離れることへの抵抗感が強い。 玄関を含む数カ所でオートロックが設置された高級タワーマンションでも、後をつけられ侵入を許すケースがある。 「下見の際に狙われにくい家になるよう対策すべきです。犯人は自分たちの姿が記録されるのを嫌うため、戸建て住宅ならダミーでもいいので防犯カメラのほか、人感センサーで作動するライトやアラームなどの設置は有効だと思います。高齢の1人暮らしであれば、子供や近親者が知恵を絞って防衛すべきです」(長谷川高氏) ハウスメーカーも、防犯対策を施したアパートの開発を進めている。末端の実行犯が捕まっても犯行自体がなくなることは考えにくい。自分の家は大丈夫だと思わないほうがいいだろう。