「なぜか食べ物が手に入るんです」野菜、米、肉、魚介類、果物…食費の大幅削減を実現、友人・知人が頻繁に食材を分けてくれる生活はどうやって実現したのか
食べ物はスーパーやコンビニなど小売店で買うのが当たり前だと思っている人も多いだろうが、地方に住んでいると、「なぜか手に入る」状況になることもあるという。現在、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者・中川淳一郎氏は、米・肉・魚介類・野菜・果物を買う機会がめっきり減ったと述べる。「なぜか食べ物が手に入るんです……」と言うが、なぜそんなことになっているのか。中川氏がリポートする。 【写真】捕まえたイノシシを農家で解体
* * * 4年前に佐賀県唐津市に移住してから、物価上昇分を加味しても、毎月の食料品代が東京時代よりかなり安くなっています。もちろん安いスーパーなんかも活用しているのですが、なんといっても大きいのが、「なぜか食料品が手に入る」ことが往々にしてあるから。具体的には、友人・知人が野菜や米や肉、魚介類をくれるんですよね。 こっちに来てから「有明海を有する佐賀では海苔はもらうもの」と言われましたが、本当になぜか海苔が無料で手に入るんですよ。この2年間、大量に消費しているものの、買ったことは一度もない。 米については、農家の手伝いをしにいったら「それ、持って帰ってよかよ」と30kg入りのコシヒカリの玄米の袋を渡されたりする。野菜も「畑の整備が大変だから好きなだけ持って行ってください」と言われ、大根、白菜、春菊、ブロッコリーなどを軽トラック1杯分もらったことも。そして、これを町に戻って知人に配るわけです。 肉については、猟友会が捕らえたイノシシを農家で解体し、それを持ち帰ったりもしました。伊万里市の猟友会の会長さんの血抜きの腕が素晴らしいため、この2年以上、日本風カレーはイノシシカレー以外は作っていません。牛と豚の中間のような味わいで、これは本当に美味です。 魚介類については、「明日釣り行く?」と釣り船を持っている友人から誘われ、沖に出てイカやイトヨリやキジハタを釣ったり、「今日は仕事も暇だから釣りに行くか」とフラッと近くの汽水域で釣り糸を垂らす。キスやハゼを釣るのですが、エサはスーパーで買ったベビーホタテを茹でたもの1匹で4時間ほどは持つ。さらに、イカ釣り漁師から一緒に船に乗らないかと誘われたり、夕方に浅瀬へ行けばタコとカニと魚が獲れる。