宇宙を題材にしたレゴセットの歴史とこれから
時代の終わり
マーズ・ミッションは、ライセンス商品以外の正規のSFレゴシリーズの終わりの始まりを象徴していました。2009年に復活したスペース・ポリスは、スパイや泥棒ではなくエイリアンの脅威に対して応戦する勢力としてイメージを刷新。 同時に、エイリアン・コンクエストとギャラクシー・スクワッドといった後続のシリーズは、レゴの宇宙テーマの中核としての人類 VS エイリアンの対立を改めて主張していました。 より現実に即したレゴ宇宙の探査モノのモデルは続きますが、それは独立したラインでではありませんでした。2011年から定期的な繰り返されるテーマとして、現レゴ®シティの重要なサブテーマとなったのです。
宇宙船ったら宇宙船!
クラシックスペースの懐かしさを呼び起こしたのは、意外な存在でした。2014年の大ヒット作『レゴ®ムービー』でチャーリー・デイが声を演じブレークしたキャラクター、ベニーです。宇宙シリーズ初期を思い出させるミニフィグで、ヘルメットの壊れたアゴ紐まで再現されています。 ベニーは映画のクライマックスで、他のヒーローたちを助けるため夢にまで見た宇宙船を組み立てるという重要な役を担い、当シーンをもとにしたセットへの道を開きました。元祖宇宙シリーズセットのカクカクした形状、ディテール、そし青とグレーのカラーリングへのラブレターと言えるでしょう。
現実路線へ
それと同時期にレゴ社の宇宙セットの焦点はオリジナルのストーリーから離れていき、代わりに現実世界の科学的な取り組みに注力するようになりました。 コミュニティが支えるシリーズであるレゴ®アイデア(元LEGO® CUUSOO)は、2010年代半ばまでにJAXAの小惑星探査機「はやぶさ」やNASAの火星ローバー「キュリオシティ」といった現実世界のプログラムからアイデアを得たセットを発表。おまけに初期のクラシックスペースに着想を得たエクソスーツまでも発売しています。 その間、他のレゴテーマも現実世界の宇宙探査をレゴ化し続けました。レゴ®シティの宇宙を題材にしたセットの定期的なサイクル以外に、この数年はクリエイターシリーズがスペースシャトルと調査ロボットをリリース。サブラインのクリエイターエキスパートは、大人向けにアポロ11号月着陸船やスペースシャトル「ディスカバリー号」といった上級者向けプロジェクトを発表しました。