将棋の第37期竜王戦七番勝負第1局の前夜祭に出席した佐々木勇気八段＝4日午後、東京都渋谷区（小山理絵撮影）

将棋の藤井聡太竜王（22）＝棋聖・名人・王位・王座・棋王・王将との7冠＝に佐々木勇気八段（30）が挑戦する第37期竜王戦七番勝負の第1局が5、6日、東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で指される。両者が4日、東京都内で行われた前夜祭に出席した。 藤井竜王は9月30日に王座戦で3連勝して初防衛を果たし、年内最後のタイトル戦の竜王戦で4連覇を目指す。今夏の棋聖戦、王位戦はともに5連覇して永世称号の資格を獲得し、竜王戦は4連覇すれば渡辺明九段（40）、羽生善治九段（54）に続く史上3人目の永世竜王（連続5期または通算7期以上）の資格獲得に王手をかける。 佐々木八段はスイス・ジュネーブ生まれで、16歳でのプロ入りから14年でタイトル初挑戦。藤井竜王には2017年7月、初対局で公式戦初黒星をつけ、デビューからの連勝記録を29で阻止。3月放送のNHK杯テレビ将棋トーナメント決勝では連覇を阻んだ。節目に立ちはだかってきた実力者が、最高峰のタイトルを奪取するか。 佐々木八段は緊張の面持ちで「普段の生活を竜王戦モードにしていた。もっともっと準備したかったんですけど、あっという間に本日を迎えました」とあいさつ。「先ほど検分をして立派な能楽堂という神聖な舞台での対局、立派な将棋盤の前に座って気持ちが引き締まった。藤井竜王は棋譜を見ているだけではわからない強さがある。盤を挟んでみないと分からない強さがある。できるだけ終盤までいい勝負で戦いたい」と誓った。 竜王戦は2日制で持ち時間は各8時間。先に4勝した方がタイトルを獲得する。