古里の資料集まる場所にと―公民館に郷土史コーナーを新設 京都府/福知山市夜久野町
京都府福知山市夜久野町高内の中夜久野地区公民館(的場善彦館長)は、同館内に郷土史コーナーを新たに設置した。現在は、夜久野町史の編纂にも携わった足立悦夫さん(95)=同町下千原=が寄贈したたくさんの資料が並んでいて、的場館長(69)は「古里の歴史を伝える資料が集まる場所になれば」と期待を寄せている。 郷土史コーナーは、高さ120センチ、横幅80センチほどの本棚に、ジャンルごとに分類された資料、足立さんが執筆した図書などが置かれている。資料は過去に夜久野で行われた遺跡調査に関わるものや昔の町広報紙など多岐にわたり、中には第二次世界大戦中に戦地から届いた軍事郵便もある。 若い頃から歴史への関心が強く、夜久野に関する資料収集を続けてきた足立さんのもとには、段ボール箱が何箱もいっぱいになるほどの資料があった。 「捨てるのも忍びない」と思い、旧知の仲で歴史研究にも理解がある同町小倉の瀬田眞澄さん(81)に昨年の夏に相談したところ、瀬田さんが資料整理を引き受け、2カ月ほどかけてファイル19冊と索引を作った。 その後、資料を多くの人に見てもらえる場所に保管できないかと、同公民館に相談すると快諾。コーナーの設置が実現した。 足立さんは「みなさんのおかげで、本来は捨てられてしまうような資料も整理されて後世に残すことができ、ありがたく思います。今後もいろいろな資料が集まり、夜久野町の歴史に関心のある人の役に立つ場所になれば」と話している。 郷土史コーナーを充実させていくため、同館は自宅などにある夜久野に関する郷土資料の提供を呼びかけている。