2024年の飲食料品値上げ、3年連続で1万品目を突破 前年より5カ月遅いペース
今後の見通し:コストプッシュ型の値上げが再燃 今秋に値上げラッシュの見通し
2022年半ば~23年前半の値上げラッシュを引き起こした当時の水準を超える円安が進行したことも重なり、コストプッシュ型の値上げが再燃している。24年通年の値上げ要因では全品目数のうち9割を原材料高が占めたことに加え、食品トレーやビンなど包装資材由来の値上げや、2024年問題による物流費由来の値上げは、前年を上回る水準で推移した。円安・人件費由来の値上げはいずれも、前年に比べ3倍多いペースだった。大雨や猛暑、干ばつをはじめとする世界的な異常気象で不作・凶作の影響を受けたほか、円安による輸入コストや物流費、賃金水準など、原材料高が中心だった22~23年の値上げと異なり食品値上げの要因が複合化していることも、コストプッシュ型値上げが長期化する要因となっている。 先行きでは、10月の食品値上げ予定品目数が6カ月ぶりに1千品目を超え、今後さらに増加するとみられる。1ドル160円前後で推移する円ドル相場の長期化で、円高進行による輸入コスト低減への期待感は弱まっているほか、一部の原材料や包装資材では一層の値上がりが見込まれるものもあり、今秋にかけて大規模な値上げラッシュが発生するとみられる。 2024年後半の値上げは、店頭での値下げ圧力とコストアップの板挟みとなりながら、月最大2千品目前後、年間で最大1.5万品目の値上げペースが続くとみられる。ただ、円ドル水準の下落局面が長期化しており、当初予想の品目数を上回る可能性がある。