考察『光る君へ』29話「ははうえー、つづきはぁ?」物語をせがむ賢子(永井花奈)がかわいいっ!宣孝(佐々木蔵之介)、詮子(吉田羊)が去り、いよいよ紫式部誕生か
大河ドラマ『光る君へ』 (NHK/日曜夜8:00~)。舞台は平安時代、主人公は『源氏物語」の作者・紫式部。1000年前を生きた女性の手によって光る君=光源氏の物語はどう紡がれていったのか。29話「母として」では、幼い娘を育てるまひろ(後の紫式部/吉高由里子)、道長(柄本佑)のふたりの妻と子どもたち、道長の姉であり天皇の母である詮子(吉田羊)の最期の姿などが描かれていきます。ドラマを愛するつぶやき人・ぬえさんと、絵師・南天さんが各話を毎週考察する大好評連載30回(特別編1回を含む)です。
宣孝の変顔
長保3年(1001年)正月。薬であるお屠蘇を口にする一条帝(塩野瑛久)の顔色は冴えない。皇后・定子(高畑充希)がこの世を去ったのは長保2年12月16日……半月ばかりしか経っていないので、沈んだ様子は無理もない。 帝とは対照的に、明るく誇らしげな表情の宣孝(佐々木蔵之介)は帝が飲みきれなかった薬を飲み干す、名誉な役目──後取(しんどり)を務めた。本来ならばこの世でただひとり、天皇しか口にできないものを飲む役目なのだから、天にも舞い上がる思いだろう。そのまま、愛娘・賢子(永井花奈)と、まひろ(吉高由里子)が待つ家に帰ってきた。 賢子はすくすくと育ち皆のアイドルである。宣孝の変顔で賢子以上に、まひろがウケる。賢子を真ん中に夫婦仲が完全復活しなによりだと思いつつ、宣孝には嫡妻も他の妾もいるのだよなあ……彼が年を取ってできた娘を可愛がり、内裏からこちらに直帰している日、他の女たちは何を思い、どう過ごしているのだろうと考えてしまう。
怠慢は言いすぎである!
受領功過定(ずりょうこうかさだめ)で、越前守であるまひろの父、為時(岸谷五朗)の4年間の仕事の評価がなされた。真面目に勤め上げていても、 越前の地の状況がどうであろうとも、宋人を帰国させられないために怠慢とまで言われてしまう。怠慢だなんて……現場の苦労をまったく知らず、上が低い人事査定をつけてしまうのは昔も今も同じか。 「為時殿は真面目な御方。怠慢は言いすぎである!」 視聴者の声を代弁してくれて、ありがとう実資(秋山竜次)! しかし、続けての任官はならず。大国に赴任して4年経っても、宣孝のように富を得るような活動を全くしていない為時は、都に帰れば苦しい生活に逆戻りである。ドンマイ父上。
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