【40代・50代の肝臓のトリセツ】痩せる食べ方のコツは、何をいつ食べるか?脂肪肝の予防・改善にも役立つ「時間栄養学」
肥満の大きな原因のひとつである脂肪肝を解消するには「糖質少なめ」や「水溶性食物繊維が豊富」といった、食材の選択が重要になる。併せて、食べる時間やタイミング、回数などの「食べ方」もぜひ気をつけたいもの。そんな「脂肪肝を予防する食事法」について、肝臓の専門医であり、メタボリックシンドロームや糖尿病など生活習慣病の予防と治療を目的とした診察を長年続けている栗原毅さんに詳しく教えてもらった。
脂肪肝の予防・改善にも役立つ時間栄養学
肝臓に余分な脂肪が蓄積した状態、脂肪肝になると、痩せようとしてもなかなか痩せられない。そこでダイエットに励む皆さんには、過剰摂取した糖質が中性脂肪になって、肝臓に蓄積しないよう、「糖質の多い主食を控えめに」したり、「糖質の吸収を抑える水溶性食物繊維」や「糖質の代謝をサポートするビタミンB1」を積極的に摂取したりするようおすすめしたい。 そして、さらにプラスで実行していただきたいのが、食べ方の工夫。同じ食べ物でも、どの時間帯に、どう食べるかによって、体内での分解・吸収・働きが変わってくるからだ。 栗原先生も、時間栄養学の考え方はとても重要だと言う。それでは「何を、いつ食べるか」を中心に、脂肪肝の予防・改善に有効な食べ方のコツを教えてもらおう。
食事は1日3回とりましょう。また朝食でもタンパク質の摂取を
「今、栄養学では『何を、いつ食べるか』によって、栄養の吸収や働きがどう変わるかについて、科学的に調べるという動きが盛んになっています。私自身も、『何を、いつ食べるか』をいつも意識していますよ。 また、古くからの言い伝えで、『食べてすぐ寝ると牛になる』と言って食後すぐの睡眠を注意する言葉があったりするので、昔の人も経験上、食事をとるタイミングや時間と、健康維持には深い関係があることを知っていたのだなと思います。 さて、肝臓に『余分な脂肪をためない、たまった余分な脂肪を落とす』ための食事のとり方について解説していきましょう。まずは食事の回数。私は1日に3回、糖質も含めた、栄養バランスのよい食事をとることをおすすめしています」(栗原先生) なぜならば、食事と食事の間隔があきすぎると、体内が一時的に飢餓状態になり、次の食事で摂取した糖質や脂質を一気に吸収しようとしてしまうからだそう。 「つまり、朝食を抜くと、昼食でとった糖質が急激に吸収されて血糖値が急上昇。脂肪の蓄積が促されてしまいます。2食続けて抜くと、その後の血糖値上昇はさらに急激になることも報告されています。 朝は食欲がないとか時間がないなどの理由から、『朝食をとらない』という人も多いかもしれませんが、朝、食事をすることで、1日の栄養代謝をスムーズにするスイッチが入り、体内時計のリズムが整います。少量でもよいので朝食をとるようにしましょう。 おにぎりやパンだけの朝食は、血糖値の急上昇につながるので、ゆで卵や納豆、チーズ、ヨーグルト、インスタント味噌汁などを常備しておき、タンパク質も一緒にとれるようにするのがおすすめです」