【40代・50代の肝臓のトリセツ】痩せる食べ方のコツは、何をいつ食べるか?脂肪肝の予防・改善にも役立つ「時間栄養学」
夕食は19時までに食べ終えるのが理想!
栄養バランスのよい食事を1日3回とることに加えて、意識したいのが、夕食の時間が遅くなりすぎないようにすること。 「その理由は、午後10時~午前2時は脂肪の合成を促す働きのある「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれるタンパク質が増える時間帯だからです。BMAL1が多いこの時間帯に食事をすると、同じ内容・量の食事であっても、昼間よりも太りやすくなります。 また、午後10時~午前2時は、代謝を促して脂肪を燃焼させる「成長ホルモン」が分泌される時間帯でもあります。この時間帯に胃の中に食べ物が残っていると、代謝を促す働きのある成長ホルモンが分泌されにくくなってしまうので要注意です」 理想は、夜の10時までに、夕食に食べたものの消化を終えられることと続ける。 「消化にかかる時間といわれるおよそ3時間から逆算すると、午後7時までに夕食をとり終えるのが理想といえます。午後7時までに食べ終えるというのは、かなり難しいかもしれませんが、これより遅めの時間に食事をとるのであれば、せめて、消化に負担のかかる脂質の多いものや、糖質たっぷりの丼物などは避けるようにしましょう。 もちろん、人とのつき合いもあるので、会食などで遅い時間に夕食という日もあるでしょう。こうしたことをすべてお断りして…というのは現実的に無理なので、そうは申しません。ただ、遅い時間の夕食が連日にならないようにしたいものです。会食などで遅い夕食をとる日があったら、翌日やその後何日かは、軽い食事を早めの時間帯にとるなどして、習慣化しないようにしましょう。
脂肪の合成されにくい食べ方は「よく嚙んで、ゆっくり!」
脂肪をつきにくくするために絶対に避けたい食べ方が、「早食い」だと栗原先生。 「忙しい人の中には、食事は5分、10分ですませる、という人も多いのではないでしょうか? でも、それはNG。痩せる食べ方のコツとして、私は『よく嚙んでゆっくり食べるようにしましょう』といつも言っています。でもそう言うと、『なんだ…、そんなことか』と思う人も多いようなのですが、実はこれが実践できていない人が本当に多いのです」 そして、頑張って実行してみたとき、初めてその効果の大きさを実感し、これがいかに重要なことなのかを理解するのだそう。 「早食いをすると、あまりよく噛まずに食べ物をどんどん胃の中に流し込んでいくことになるので、血糖値は急上昇し、血糖値を下げようとするインスリンが大量に分泌され、どんどん余分な血糖が脂肪に作り替えられてしまいます。 また、満腹感を得るためにはおよそ20分が必要といわれています。早食いをすると満腹感を感じる前に食べすぎてしまう可能性が大きいのです。 さらに、しっかりと噛んで食べるということは、全身の血流を促すことにもつながります。全身の血流がよくなると代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすくなり、消費カロリーが増えるというメリットもあります。また、消化酵素がしっかりと出るので、タンパク質など消化しにくい栄養も吸収しやすくなります。 ゆっくり食べるためにはまず「いつもより10回多く嚙む」ことから実践しましょう。できればひと口につき、30回嚙むよう意識してください。食事時間の目安としては朝食20分、昼食25分、夕食30分くらいと考えて。今日からぜひ、毎日の食事で実践してみてください!」