「パラスポーツ」の魅力を徹底解剖!年齢も性別も関係ない、誰もが楽しめる競技3選
ゴールボール
音に全集中で、見えてくるボール⁉ 静寂のなかの格闘技 ▼競技の魅力 ゴールボールは、視覚に障がいのある人のために考案されたスポーツ。1チーム3人の選手が、鈴の入ったボールを転がすように投げ合って、相手ゴールにボールを入れて得点を競い合う球技。サッカーと同じようにゴールボールのゴールにもネットが張られているけど、その幅はサッカーより大きく9m、そして高さはサッカーより低く1.3m。そのため、守備では目いっぱい腕を広げたり、足を伸ばしたりして全身を使ってゴールを阻止する。 ボールは、バスケットボール(7号球)と同じ大きさだけど、重さはバスケットボールの約2倍(1.25kg)。男子のトップ選手の試合では、その重さのボールが時速60~70kmの速さで飛んでくることも。守備はそのボールを全身で受け止めるが、この寝て起きてを繰り返し、ボクシングのパンチのような強烈なボールを受けることから”静寂のなかの格闘技”とも呼ばれている。 「見える」「見えない」は関係ない、音のみの世界でプレーするゴールボール自体は、アイシェード(目隠し)をすることで誰でも同じ条件で楽しめる。国内では健常者も選手として試合に出場できる大会もある。また、健常者に加え、個人でも参加できる交流・体験型大会「チャレンジゴールボール大会(日本ゴールボール協会主催)」もあるので、チームに所属するよりも前に、まずはやってみたいという人にもオススメ。視界が閉ざされた空間でのチームプレーではコミュニケーションが重要なため、ゴールスポーツの体験会を、チームの連携を強化するために開催する職場や自治体もあるみたい! ▼観戦ポイント 競技中に選手がいちばん頼りにしているのは、もちろん音。そのため、試合中は観客含めスタッフも声を出すことはできず、会場にいる人たち全員で静寂を作り出す必要がある。審判が「クワイエット プリーズ!」といったら、それは「静かにしてください!」の合図。大きな声援をかけたい気持ちをグッとこらえて、見守って。 試合では音を駆使して、相手を惑わすのも戦略の一つ。体の回転でボールに力を伝える「回転投げ」は、ボールに遠心力がかかり鈴の音が消えるため、ボールの位置がわからなくなり守備が戸惑う。一方で、音に全集中した選手たちの研ぎ澄まされた感覚、ゴールを阻止する瞬発力には「見えているのでは⁉」と思うほど。短い時間のチーム同士の声のかけあいや的確な指示は、究極のコミュニケーション術。彼らのやりとりに耳を澄ませてみて。 体験会やイベント情報:外部サイト「Tokyoパラスポーツ・ナビ」へ