糖尿病、高血圧などの生活習慣病や認知症との関連も指摘<睡眠の質>。上質な睡眠のために行くべきは「歯医者」だった?歯科医「閉経後にリスクが高まる症状も…」
◆閉経によってリスクが高まることも… そもそも日本人は鼻が低く、首が細いので骨格的に気道が狭くなりやすいことや平均睡眠時間の短さからも、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いといわれています。しかし、睡眠時無呼吸症候群の患者さんのうち、5人に1人は自覚がないそうです。 特に女性の場合、閉経によってリスクが高まり、閉経後の女性の10人に1人が治療の必要な状態だったことが分かっています。 自覚がある場合はもちろんですが、以下のチェック項目で該当項目が複数あるようでしたら、まずは睡眠外来や耳鼻咽喉科、呼吸器内科などで相談してみることをおすすめします。 ーーー 【睡眠時無呼吸症候群 セルフチェック項目】(1)しょっちゅういびきをかく、いびきをかいているとスリープパートナーに指摘される (2)睡眠中に呼吸が止まっていることがあると、スリープパートナーに指摘される (3)就寝中に息苦しさを感じて目が覚める (4)睡眠時間は長いのに眠気を感じる、疲れが取れない (5)肥満気味である(肥満は大きなリスクとなりますが、肥満でない人が発症することもあります) (6)高血圧
◆ブラキシズムについてセルフチェック また、睡眠時無呼吸症候群、ブラキシズムともに遺伝の影響があることが分かっています。 そして、ブラキシズムも歯がすり減ってしまうだけでなく、歯の詰めもの、被せもの、入れ歯やインプラントなどの破損につながることもあるので、歯科での相談をおすすめします。 歯ぎしりは歯周病や顎関節症にも影響することが分かっています。自覚がない場合は以下でチェックをしてみてください。 ーーー 【ブラキシズム セルフチェック項目】(1)歯ぎしりをしている、歯が鳴っているとスリープパートナーに指摘される (2)歯が欠けている、ヒビがある、すり減っている (3)頬の内側や舌に歯の跡が残っている (4)口を閉じた状態の時、上下の歯がくっついている (5)日中、集中している時に歯を食いしばっていることがある (6)朝起きた時に顎が疲れていたり、口の周囲がこわばったりしている (7)肩こりや頭痛がある ーーー 最後に睡眠という点で歯科医としてお伝えしたいのは、睡眠時は歯周病や虫歯のリスクが最も高まる時間帯だということです。 これは就寝すると唾液の分泌量が半分程度に減ってしまうためで、唾液の自浄作用によって日中は一定数に保たれていた細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。 このことからも、1日のうちに完璧な歯磨きをするとしたら、断然、就寝前だというのが私の考えです。 就寝前の飲食は睡眠の妨げになることも分かっていますから、早めに飲食を終わらせ、オーラルケアに時間を取り、リラックスした状態で眠りにつきたいものです。
永田浩司