現場を理解し、製造業の「標準」を引き上げる--キャディ・加藤代表
2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。 キャディ 代表取締役 加藤勇志郎氏 新年あけましておめでとうございます。この晴れやかな新年を迎えるに当たり、皆さまに心よりごあいさつ申し上げます。2024年は、多くの方々のご支援とご協力をいただき、キャディにとって非常に重要な節目となる一年でした。この場を借りて、皆さまに厚く御礼申し上げます。 2024年、米中対立をはじめとする地政学的リスクの高まりにより、世界のサプライチェーン分断は一層進行し、サプライヤーや製造拠点の移転が加速しています。一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)は不可欠な要素となり、多くの上場企業がIR戦略にDX推進を掲げるようになりました。われわれキャディも、これらの変革をサポートする仕組みとして、グローバルで進化を遂げることができました。 そして、何よりもキャディにとっての2024年を象徴する出来事は、祖業である「CADDi Manufacturing」の、製造業データ活用クラウド「CADDi Drawer」との統合です。2018年から提供を開始したCADDi Manufacturingでは、品質、コスト、納品の責任を一手に引き受け、調達支援を行ってまいりました。この間に得た知見を活かし、多くの企業様とともに歩んできた道をさらに広げ、CADDi Drawerと統合することで、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」として新しい一歩を踏み出しました。「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」という当社のミッションの実現に向けて気持ちを新たにしました。 9月には、その第1弾として製造業AI見積クラウド「CADDi Quote」を新アプリケーションとしてリリースしました。本アプリケーションは、AI解析とデータ活用にフォーカスし、従来の調達・見積プロセスを刷新します。これにより、調達業務を効率化するだけでなく、製造プロセス全体を通じてデータを資産化し、新時代のモノづくりを支援します。 さらに、2022年から開始したモノづくり産業の未来を切り開くためのビジネスカンファレンス「モノづくり未来会議」は、2024年その開催エリアを一気に広げ、グローバル16都市で計24回開催、累計1700名人以上来場、アーカイブ視聴4500名以上と大きな反響をいただきました。国内だけでなく米シカゴやタイのバンコクでも初開催し、グローバルな変革の先駆けとしての役割を果たすことができました。 11月には、東海エリアでのサービス強化を目的に、当社初となる名古屋拠点を開設しました。CADDi DrawerやCADDi Quoteの活用が進むこの地域で、オペレーションの効率化によるサービス強化を進めてまいります。 2024年はまた、ガバナンスと経営体制の強化にも注力しました。監査室の設置や評価制度、給与体系の刷新を実施、新たに最高人事責任者(CHRO)や執行役員を信任し、組織全体の基盤を強化しました。 日本におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が今後より進んでいく中で、私たちキャディはエンジニアリングチェーン・サプライチェーン一気通貫でのデータ活用による全体最適を追求しています。「製造業AIデータプラットフォーム」は、過去の経験やデータを企業の資産に変え、繰り返し業務や車輪の再発明をなくすための、AI時代に必要不可欠なデータ基盤です。2025年には、このプラットフォームCADDiをさらに進化させ、製造業の「標準」を引き上げることで、皆さまがより創造的な活動に集中できる基盤を構築していきます。 これまでの道のりは決して平坦ではありませんでしたが、私たちの挑戦と努力は、お客さまや社員一人一人の支えによって支えられてきました。Manufacturing事業では、品質不良対応やお客さまとのすり合わせなど、現場での泥臭い経験を積み重ねてきました。これらは全てお客さまやパートナー工場の皆さまのご協力あってこその貴重な財産です。この経験を糧に、私たちは単なるシステムベンダーにとどまらず、製造業の現場を深く理解する真のプレイヤーとして、本質的でかゆい所に手が届くサービス開発・提供にまい進してまいります。過去の経験を力に変え、さらなる高みを目指して努力を続けてまいります。 新たな年を迎え、皆さまとの関係を一層深め、共に成果を達成していくパートナーであり続けられるようまい進してまいります。2025年も引き続き、キャディをどうぞよろしくお願い申し上げます。 皆さまにとって、素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。