【解説】「紀州のドン・ファン」元妻・須藤早貴被告が無罪に 覚醒剤めぐり主張対立も…専門家「状況証拠が足りなかった」
弁護側「うすい灰色を重ねても黒にならない」
青井キャスター: そして、スマートフォンの“検索履歴”も非常に注目されました。 青井キャスター: こちらが須藤被告が検索したワードは… ▼完全犯罪▼老人 死亡▼トリカブト殺人事件▼薬物▼妻に全財産残したい場合の遺言書の文例▼相続税 海外口座▼覚醒剤 過剰摂取 野﨑さんが亡くなったあとの検索ワードが… ▼昔の携帯通話履歴 警察▼遺産相続どれくらいかかる▼殺人罪時効▼殺人自白なし 検察側は、この検索履歴を証拠のように扱いたかったようですが? 宮司キャスター: 須藤被告の弁護側は、これらの検索は、あくまで“須藤被告の趣味”で昔から「特殊な殺人、グロテスクなものを調べるのが好き」としていました。 きょうの判決では、「スマートフォンの検索」について、「完全犯罪」の検索は、殺害を計画していなければ検索することはありえないとまでは言えない…こうした判断でした。 青井キャスター: 検索履歴でこういう言葉を調べていたことは証拠とされなかった? 中村弁護士: 証拠とされたし、価値もあったが、基本的には状況証拠の1つ。検索があるから100%殺害計画あるとはいえない。覚醒剤に関する証拠が足りなかった。 SPキャスター・パックン: 今後、検察は控訴するのかが気になります。 中村弁護士: 検察の主張にもそれなりの説得力がありますし、私の元検事の感覚でしかないんですけど、おそらく控訴すると思います。この無罪判決に、承服はしないんじゃないのかなと。やっぱり証拠評価の誤りがあるという判断になると思うんですね。多少なりとも補強したい証拠があれば出すことは考えられますけど、それが必ずしも必要とは言い切れないということですね。 青井キャスター: 須藤被告の弁護側は、「うすい灰色をいくら重ねても黒にはならない」と無罪主張。この判決が今後に与える影響は? 中村弁護士: 薄い灰色というのはおそらく状況証拠だと思うんですけど、状況証拠を積み重ねて黒になることはあると思うんです。しかし、今回は薄い灰色の数が足りなかったということなんですけど。今後こういう事件について、検察は慎重に判断せざるを得ない、状況証拠の積み重ねに慎重にならざるを得ないのかなと思います。 (「イット!」 12月12日放送より)
イット!