全てで目標値下回る 和歌山県内水道水のPFAS
和歌山県は29日、発がん性など健康への影響が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」について、2020年度から今年9月末までの県内水道の検査結果を公表した。検査した箇所全てで、国の暫定目標値を下回った。 【480億円減収と試算 年収「103万円の壁」の見直しで、和歌山県の記事はこちら】 国は20年、飲用水のPFAS含有量の暫定目標値として、その代表物質である「PFOS」と「PFOA」の合計で、1リットル当たり50ナノグラムと設定した。その後、各地で目標値を超える含有量が検出されたことから、国が全国調査を実施。県が県内分を公表した。 県によると検査は各事業者の任意で、県内の上水道、簡易上水道など79事業者中、5年間で1度でも検査したのは57事業者。このうち、最も高かった所でも、目標値を下回る32ナノグラム(23年度)だった。 PFASは人工の有機フッ素化合物で、熱や紫外線に強く水や油をはじく特性から、フライパンを焦げ付きにくくする加工や、食品の包み紙、車のコーティング剤、泡消火剤など幅広く利用されてきた。 一方、自然界では分解されにくく環境汚染につながるほか、生物の体内に入ると蓄積しやすく、さまざまな健康への影響が指摘されるようになり、世界的に製造や取引を規制する動きとなっている。
紀伊民報