アイスホッケー・安藤永吉(東北フリーブレイズ)「断固たる決意で挑むプロ2年目と日本代表への思い」
~「足が速い」アジアリーグでは判断力をあげることが重要
IH界の名門・駒大苫小牧高(北海道)から法政大を経てフリーブレイズ入団。大学では主将を務め、2023年ユニバ(米国・レークプラシッド)では日本代表にも選出された。 「フリーブレイズ入団当初は『やばい、何もできない』と感じました。技術、フィジカル、戦術など全てでレベルが高い。でもフィジカル面が通用することだけはわかってきました」 「プロは全てのプレーにスピードがある。余裕を失って練習でできることが試合で出せなくなりました。他選手を見ると考え方に幅がありプレーの選択肢が多いです」 最初は戸惑いも多かったが時間と共に慣れてきた。またユニバでの経験が「プロにアジャストするためのヒントになっている部分もあった」という。 「最初の頃は『早く何とかしないと』と常に思っていた。プレースピードに少しずつ慣れて余裕が出ることで普段の実力も出せるようになってきました」 「アジアリーグの選手は足が速い。リンクもユニバの時より広いのにプレッシャーがきついため、アジャストの必要性を感じて備えていきました」
~プロは身体も頭も起きた状態で練習へ打ち込める
リンク外での生活も一変、「大学時代とは異なりIHのみに集中できる環境が嬉しい」と語る。 「プレー環境が全く違います。大学時代は勉強もあるしバイトをしたこともあります。IHだけを考えられるのは本当に幸せなことです」 プロ契約のためIH漬けの生活を送る。基本は朝8時半から氷上、その後の陸上トレーニングを行い午前中で練習は終了。午後は休養や身体のケア、個人練習のほか、チームの地域貢献活動(=TSR)に参加する。 「学生時代は朝4時からの練習が当たり前。寝起きでアップも充分にできない状態でメニューをこなすだけのような感じでした。今は身体も頭もスッキリ起きた状態で練習できます」
~大学時代は食事やお金の心配をしていた
現在は一人暮らしをしているため食事は自炊や外食で賄っている。 「法政大の寮時代も自炊でしたが疲れると面倒くさかった。今は時間があるので食事の作り置きなどもできるので問題ないです」 「大学によっては寮母さんがいて食事を用意してくれるところもある。そういう寮は羨ましいと思います。法政大もいつかそうなれば良いな、と改めて思いました」 お金への心配も大きく異なる。IHは靴やスティック、防具等のギア(=用具)だけでも他競技と桁が違うほどお金がかかる。 「ギア以外にも寮費、遠征費がかかり、親の負担は信じられないほど大きい。北海道で合宿をやると20万円近くかかる。プロとしてIHをやる上では、そういう心配はありません」 「大学4年で単位を取り終えた後は居酒屋でのバイトもした。IHに関するお金は親が負担してくれたので、それ以外のプライベート分は自分で稼ぎました」