開幕ダッシュならず!立浪ドラゴンズ3年目にファンが抱く不安の"正体"
立浪竜の開幕オーダーを、例えば2月のキャンプイン時に予想できた人は、誰一人いないはずである。そんな新鮮な顔ぶれで、2024年3月29日、中日ドラゴンズはペナントレースの開幕戦を神宮球場で迎えた。(以下、敬称略) 投打がかみ合った立浪竜!!石川昂弥の先制タイムリーに最強投手陣の完封リレーで阪神に連勝!!これでオープン戦は6勝5敗4分で貯金1だ!【3月17日オープン戦 中日vs阪神】
大抜擢の遊撃ロドリゲス
1番センターには、春季キャンプから進境著しい4年目の三好大倫(ひろのり)。そして2番セカンドには、昨シーズンをケガからのリハビリで過ごした"立浪野球の申し子"とも言える2年目の田中幹也が入った。3番は高橋周平。石川昂弥とのサード争いに勝っての開幕スタメンである。 そして何よりも注目は「8番ショート」に入ったクリスチャン・ロドリゲスである。キューバ出身の育成選手だったロドリゲスが、開幕直前に支配下登録されて開幕スタメンなのである。高い守備力を買われての大抜擢だった。
竜の野球は変わった?
新オーダーは、いきなり初回から機能した。東京ヤクルトスワローズ先発のサイスニードから2番の田中がライト前にしぶとく運ぶプロ初打席初ヒット。続く高橋がレフト線へのツーベースで、俊足の田中が一気に先制のホームを踏んだ。この瞬間、ドラゴンズの野球が「変わった」とワクワクした。 同点に追いつかれた5回表には、新4番の中田翔が、打った瞬間にそれと分かる勝ち越しホームランを、ドラゴンズブルーに染まるレフトスタンドへ運んだ。4番の頼もしいひと振りでリード。ドラゴンズの野球が「変わった」とさらに確信した。 しかし、自信を持って送り出したはずのリリーフ陣、侍ジャパンにも選ばれた松山晋也が、8回裏にまさかの逆転を許して敗戦。ロドリゲスが内野フライを見失う手痛いエラーもあったが、勝ちたかった開幕ゲームだった。
好投の涌井で勝利ならず
翌30日の2戦目は、息詰まる投手戦となった。オープン戦から順調に仕上げてきた涌井秀章が先発し、プロ野球史上24人目となる2000奪三振の記録を達成するなど、いいムードの中で試合は進む。先制点は、この日も2番セカンドに入った田中が挙げた。嬉しいプロ初打点である。 しかし、1対0で迎えた8回裏、リリーフの松山が前日に続いて、またしても失点して同点にされた。結局、両チームが投手を8人ずつ使う総力戦で、延長12回引き分けとなった。度々のチャンスに「あと1本」が出なかったドラゴンズベンチには"敗戦ムード"が漂っていた。