開幕ダッシュならず!立浪ドラゴンズ3年目にファンが抱く不安の"正体"
やはり「あと1本が出ない」
今シーズン初白星を土産に、本拠地バンテリンドームに帰りたい3戦目だったが、先発のウンベルト・メヒアが、初回にスワローズ打線につかまり3失点。キャプテンの山田哲人や抑えの切り札である田口麗斗らを欠くスワローズ相手にハンディを背負った。さらに、この初回、立浪和義監督はリクエストを連発したがいずれも判定は覆らず、2度あるリクエスト権が、早々に消滅してしまう事態に陥ってしまった。 4回表に、4番の中田が開幕戦に続く一発で追撃に入るも、6回表は3連打で作った無死満塁の大チャンスに、併殺崩れの1点しか入らず、2対5で敗れた。そこには「あと1本が出ない」という昨シーズンまでの竜打線の姿があった。
12球団唯一の勝ち星なし
岡林勇希もいない。石川昂弥もいない。高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)もいない。そしてキャンプを1軍で完走した根尾昂もいない。"次世代ドラゴンズのヒーロー"として注目の若竜の姿がない、そんな1軍ベンチの顔ぶれに、立浪監督は「競争に勝ち抜いた顔ぶれ」と語っていた。 たしかに開幕戦では「チームが変わった」という兆しも見られた。しかし、開幕シリーズ3連戦、終わってみれば0勝2敗1分、12球団で唯一まだ勝利がないチームとして、名古屋での讀賣ジャイアンツとの3連戦に臨むことになった。
日替わりオーダーへの不安
最も気になることは、ドラゴンズが開幕3試合で、すでに3通りのスタメンオーダーであることだ。昨シーズンは143試合で114通りのスタメンだった。立浪監督周辺からは「柔軟性を持って」「やりくりで」という声が聞こえ続ける。 しかし、当コラムでも度々書いているが、「柔軟性」も「やりくり」も、基本となるスタンダードがあってこそのはずである。ましてや開幕早々である。「これが2024年の立浪野球だ!」とお披露目したオーダーによって力強い姿を見せてほしかった。毎試合スタメンが替わっては、打線も機能しづらいはず。まずは少しチームを落ち着かせて、その上で、柔軟性でもやりくりでも、勝つための積極性を見せればいい。 ペナントレースは全143試合あり「まだ143分の3が終わったばかり」と割り切りたいのだが、2年連続の最下位というチームの現実に直面すると、ファンとしては、なかなか楽観的なことも言っていられない。そんな不安を吹き飛ばすのは、本拠地での打倒ジャイアンツしかない。 【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】 ※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が"ファン目線"で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。
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