都の感染主体「変異株に移りつつある」 専門家「爆発的拡大に厳重警戒を」
東京都は22日、都内の新型コロナウイルスの感染状況や医療提供体制を専門家が分析するモニタリング会議を開いた。会議で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は、「N501Yの変異株は感染力が強いことから全国的に広がりを見せている。都においても従来株から変異株へ流行の主体が移りつつあり、爆発的な感染拡大への厳重な警戒が必要」と警鐘を鳴らした。 【動画】東京都がモニタリング会議 感染主体「変異株に移りつつある」
大曲氏は「都の検査で、N501Yの陽性者の割合は4月21日時点での速報値で3月29日から4月4日の約16.5%から、4月5日から4月11日の約28.5%へと上昇している」と説明。都内のほぼ全例が変異ウイルスになった場合には「2週間後に新規陽性者数が約2000人超、入院患者数は約6000人超になると推計される。現時点の感染状況は極めて厳しい状況にある」と述べた。
人と人の接触増なら、感染爆発も
大曲氏は新規陽性者の増加についても言及した。「新規陽性者の数は人と人の接触機会や変異株等の影響により急激に増加している」としたうえで「ゴールデンウィーク中に旅行や繁華街への外出などにより、さらに接触機会が増加すれば新規陽性者数は急速に増加し、第3波を超えるような爆発的な感染拡大が危惧される」と述べた。 大曲氏は、新規陽性者の7日平均について前週が約475人だったのに対し、今週は約644人だったと報告。増加比についても「前回が約120%、今回は約135%と高い水準の中でさらに上昇傾向が続いている」と語った。