白河の名ラーメン店「とら食堂」の首都圏弟子店6軒を回ってみた
「中華そば」の盛り付けとしては、ここが一番。見ただけで「美味しさ」が伝わってくる。鶏出汁の味わい豊かなスープは出色、弾力のある麺もスープと良く絡む。添えてある海苔のみ、質が今ひとつかなと思えた。 帰りは駅まえから続く大通りまで出ると、予想通りバス停があり、そこから駅までバスに乗って帰った。
■ 「白河中華そば」(仲町台)
最後の6軒目は横浜・仲町台にある「白河中華そば」。横浜市営地下鉄ブルーラインに乗って出かける。「仲町台」駅から歩いて12、3分。公園の前にあり、開店前を狙って出かけたが、すでに二人、店の前の縁台に座って並んでいた。その後も、続々と客がやってきたが、ほとんどの客が車に乗ってきた。 注文したのは「中華そば」。手慣れた感じで作られた一杯で、スープ、麺、具どれも美味しいが、一体感がもうひと味という感じだった。
6軒を回り、思い出したのは「ラグビー」である。楕円形のボールを受け渡ししながらチームはトライをめざすのだが、ボールを必ず後方で受け取りながら、前へ前へと進む。ボールを落としてしまうと、ノックオンの反則となってしまう。ボールを受け取った者は、そこにとどまらず、工夫を凝らして、相手タックルを外してトライに向かう。この勇敢な戦闘精神を「とら食堂」のお弟子さんたちに期待したい。
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
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文・写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)