今年の「政治」の顔? 斎藤元彦兵庫県知事の周囲で動き出した刑事捜査 県政は今も停滞中
今年の10大ニュースが発表される時期だが、政治部門があれば間違いなく上位に入るのがこの人だろう。パワハラや「おねだり」などの疑惑がもとで県議会から不信任決議を突きつけられ失職、知事選に再出馬して返り咲き当選を果たした兵庫県の斎藤元彦知事。これで県政が落ち着くかと思いきや、知事選にからんで斎藤知事は公職選挙法違反の容疑で告発され、受理された。兵庫県政はいっこうに落ち着く気配がない。 【写真】兵庫県関連の動きの中、県警から事情聴取されたのはこの人 兵庫県職員のAさんがこう嘆く。 「斎藤知事が再び当選して騒動が終わると思っていた。それが、PR会社社長のnoteから、公選法違反の疑惑が出てきて、また騒動になっている。刑事告発も受理され、これから捜査が進むと思うと気が気でない」 神戸地検と兵庫県警が12月16日、元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大学の上脇博之教授が提出した公選法違反容疑の刑事告発を受理した。告発されたのは斎藤知事と、斎藤氏が大逆転で知事選当選を果たした際の「広報・SNS戦略」を手がけたとされるPR会社「merchu」(兵庫県西宮市)の折田楓社長だ。折田氏がnoteに公表したブログで、知事選で斎藤氏の「広報全般を任せていただいた」「SNS運用を監修者として」おこなったなどと記載したことを受け、斎藤氏側がmerchuに支払った71万5000円は、SNS運用など広報戦略を含む選挙運動の報酬だったとして、公選法違反の容疑で告発したのだ。 この告発について、斎藤知事側はPR会社への支払いはポスター制作など公選法で認められた成果物の対価だったと主張しているが、今後、違法性についての判断は地検と県警の捜査に委ねられる。 郷原弁護士と上脇教授が、斎藤知事らに対する刑事告発状の送付を公表したのは12月2日。地検と県警は2週間後には受理したことになるが、上脇教授はこう話す。 「これまで政治とカネの問題で数多くの刑事告発をしてきたが、こんなスピードで受理されたことは、あまり記憶にありません。それだけ検察も県警も立件に向けてスピードをあげているように感じます。真相解明につながることを期待しています」